調達購買部門の評価

2026.07.15

経営・マネジメント

調達購買部門の評価

野町 直弘
調達購買コンサルタント

調達購買部門の役割・機能は、この数年で急速に広がっています。 ところが、その役割の広がりに、評価の仕組みがまったく追いついていません。調達部門やバイヤーの評価は、いまだに未発達のままのようです。正直に言うと、調達の仕事は「評価されにくい仕事」と感じます。

そういう状況であり、自分で自信を持って決めた購入品価格であったため、最初のうちは値上げ要請は受け入れられない、と応えていたのです。ところが、色々と調べていくうちに、どうやら前任者のころの見積に漏れがあり、それを引き継ぐ形で価格決定したことで、サプライヤの価格が社内原価部門から割安という指摘があったことが判明し、私は値上げ要請を自社内でたいへん苦労しながら、副社長まで決裁を通したのです。

その時に上司から言われたことは、「野町は要領が悪い」でした。もっと要領よく、突き詰めないで価格決定していれば、こんなことにはならなかったのに、ということです。私はいい意味でも悪い意味でも、真面目なバイヤーだったのです。

しかし、私は自分の仕事には自負を持っていました。そして、開発部門や社内の他部門の関係者、そしてサプライヤからの信頼には自信を持っていました。彼らからは、絶対的な信頼を寄せられていました。その証拠として、開発部門の部課長からは、色々な問合せがあり、設計提案や新技術の提案なども受け入れてもらいました。また、通常なら入れてもらえないような部課内の打合せに入らせてもらったり、異動が決まった時には、たいへん残念がられたことを記憶しています。

また、一方で、サプライヤからもたいへん信頼されていたと記憶しています。社内で唯一サプライヤの立場でものが考えられ、また、考えなければならないのは、購買部門の責務です。それをいつも意識して、日頃の業務を遂行していたからです。

このように、本当に問われるべきは、「会社からどのように評価されるか」ではなく、「評価される対象を自分で定義し、その方々に価値をもたらせているかどうか」ではないでしょうか。

調達は、「誰に価値を出しているか」を定義しない限り、正しく評価されないのです。皆さんは、誰に評価をしてもらいたいでしょうか。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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