①「メンタリング5.0─自立型人財育成」【第1回】なぜ今「自立型人財育成」が必要なのか

メンタリング5.0──自立型人財育成の最新形、富士翔大郎メソッド【第1回】 なぜ今「自立型人財育成」が必要なのか

人財育成は、どの時代も企業にとって最重要テーマの一つです。しかし、近年のビジネス環境はその常識を根本から揺さぶっています。
• グローバル化による市場競争の激化
• DXによる業務スピードの加速
• 組織横断プロジェクトの常態化
• 働き方の多様化、価値観の多様化

これらの要因が重なり、従来の「上司が指示し、部下が従う」スタイルでは立ち行かなくなりました。

「指示待ち部下」が限界を迎えた

かつての日本企業では、「指示待ち部下」でも組織は機能していました。トップダウンで目標を与え、現場はその指示を着実に実行すれば成果が出たからです。

しかし、変化のスピードが増した今、逐一上司の判断を仰いでいては競争に追いつけません。さらに、プロジェクトごとに新しいリーダーが立ち、上下関係が固定化されない状況では、「指示待ち」では対応しきれなくなっています。

求められるのは「自分の頭で考える人財」

これからの組織に必要なのは、与えられた枠の中で動く人ではなく、変化に柔軟に対応し、自分の頭で考えて行動できる人財です。

つまり、自立型人財です。

自立型人財は、上司の指示を待たずに、自ら問題を発見し、解決のために動き、必要なら周囲を巻き込んで成果を出せる存在です。

依存型人財との対比

ここで整理しておきましょう。
• 依存型人財
 無意識のうちに「他律・他責」に陥る。
 指示を待ち、できない理由を探し、他人や環境のせいにする。
• 自立型人財
 「自己依存・自己責任」を前提に、自ら解決の糸口を探す。
 与えられた条件の中で最大限の成果を出す工夫をし、学び続ける。

前者は変化の足かせとなり、後者は変化の推進力となる。違いは決定的です。

研修や制度だけでは育たない

しかし誤解してはいけないのは、自立型人財は研修や制度だけで育つものではないということです。

むしろ一方的な研修の押し付けは、自立性を損なうリスクすらあります。
大切なのは「育成する文化」をつくり、日常の中で相互に学び合い、支え合う仕組みを根付かせること。


まとめ
• ビジネス環境の変化で「指示待ち部下」は限界を迎えている。
• これから必要なのは、変化を楽しみ、自ら考え行動できる自立型人財。
• 自立型人財は、制度や研修ではなく、日常の文化とメンタリングによって育つ。

次回は、その原点となった福島正伸先生からの学びと、「見本・信頼・支援」という普遍の原則について紹介します。

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富士 翔大郎

シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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