梵鐘を割り箸でたたくな!丸太でたたけ!

2008.04.12

組織・人材

梵鐘を割り箸でたたくな!丸太でたたけ!

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

「働くこと」に対し、「適当に・そこそこでいい」という冷めた就労観が蔓延・沈殿してきている。それに対する私の答えを寓話で紹介したい

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まずは、
私がいま企画中の次回著作のために作り起こした寓話をひとつ。

□ □ □ □ □ □ □ □ □

むかし、あるお寺の和尚さんが、2人の童子を呼び、こう言いました。

「本堂の裏に蔵があるじゃろ。
実はあの蔵の中に、大事な宝物が代々保管されておる。
その宝物が何か、ひとりずつ、蔵に入ってみてくるがいい。
しかし蔵には窓もなく、昼間でも中は真っ暗じゃぞ、気をつけてな」。

まず1人めに、青の童子が蔵に入っていきました。

蔵の中は、和尚さんの言ったとおり、真っ暗で何もみえません。
しかし、目の前に“何か”があることは気配でわかります。
具体的に何であるかは見当がつきません。

そのとき、童子の足裏に、枝の端くれほどの木片が触れたので、
青の童子はそれを拾い上げ、
目の前の“何か”をたたいてみました。

カラン、カラン・・・ カラン、カラン・・・

青の童子は蔵の中から出てきて本堂に戻り、こう告げます。

「なんだ和尚さん、あれは“鍋”か“やかん”ではないですか」―――――

* * * * * *

次に、赤の童子が蔵の中に入っていきました。

そのとき、赤の童子も真っ暗闇の中、足裏で触れた木片を拾い上げ、
目の前に感じる“何か”をたたいてみました。

カラン、カラン・・・ カラン、カラン・・・

赤の童子はさらに、しゃがみこんで足元のまわりを手で探ってみました。
クモの巣やら、ほこりやらをかぶりながら
頭をどこかにぶつけながら、はいつくばって手を伸ばしていくと、
今度は重い丸太のようなものが手に触れました。

その丸太を持ち上げ、
童子は目の前の“何か”を力いっぱいたたいてみました。

ゴォーーーーン。

赤の童子は本堂に戻り、和尚さんにこう言います。

「あんな立派な“鐘”の音は聞いたことがありません」―――――と。

□ □ □ □ □ □ □ □ □

この寓話をつくろうとした動機は、
私が企業研修の現場で感じる
最近の受講者(=従業員・働き手)たちの「働くこと」に対する
冷めた姿勢があります。

私はこれまで、働く人たちをある軸で分けるとすれば、
次のような感じかなと把握していました。

ところが、実際、企業研修の現場でいろいろ観察してみると、
この4つのグループには属さない
第5のグループが大きく居座っていることに気づきます。

第5のグループとは、
ときに忙しく働いたりもしますが、基本的には多忙を嫌い、
ときに自発的に働くこともしますが、基本的には依存的に働く。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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