調達購買業務におけるAIの活用について考えてみました。
昨今AIがとても騒がしくなってます。
生成AIで様々な業務や手続きを進めることで、業務効率化を図ったり、簡単なプログラミングをAIで作成したり、色々とトライしてみるとかなり便利なようです。
私はAIの専門家でもないですし、あまり勉強もしていなく、語る権限もないかな、と思いながらも調達購買業務にAIがどう活用できるのかを想定してみます。
AIは過去データを元に学習を行い、推論や分析を行って、何らかの判断基準を提供したり、プログラミングや分析結果のレポートなどのアウトプットを作成するものです。そう考えると、調達購買業務でも様々な使い方が想定できます。
例えば、過去の購買情報などを元にしたコスト査定などは、得意分野でしょう。その他にも需要予測や、それに基づく発注業務なども、人間が思いつく以上に様々な属性を考慮し、より精度の高い予測が可能となります。
また、卑近な例でいえば、契約書のレビューなども得意分野になりそうです。また、サプライヤの評価なども従来できなかった様々な評判や事案、事象などを拾い集めて集約できる、という点からは、活用することで、メリットが多いでしょう。
一般的な調達購買システムと言われる各アプリケーションも、AIを搭載し、単なる業務実行や情報伝達のサポートをするだけでなく、判断業務の支援にも使えるようになる、といううたい文句が増え始めているようです。それらの機能の一つに、AIによるサプライヤ選定支援という機能があります。サプライヤ選定時に評価情報の元になる様々な情報やユーザーの評判、評価の情報、特定サプライヤを選定することによるリスクなどを測定し、従来は定量的な評価を実施していたものをAIを活用し、評価情報を効率的に取得することはメリットが大きいでしょう。
従来、サプライヤの評価はソーシング参加企業を選定する段階、ソーシング実施のサプライヤ選定時、継続的な取引があるサプライヤに対する、実績を元にした評価、の3つのタイミングがあります。また、対象となるサプライヤも多く、多くの企業で、やらなければならないけど、できていない業務の代表例と言えるでしょう。それをAIを使うことで、効率化できるのであれば、たいへんメリットが大きいです。
しかし、私はサプライヤ選定のための参考情報をAIを活用して入手するのであれば、良い使い方でありますが、それによって機械的にサプライヤ選定を行う、つまり意思決定をAI任せにしてしまうのは、調達購買業務の重要性や面白さを放棄してしまうことに、他ならないでしょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。