古屋星斗著「ゆるい職場」で感じる、「ゆるい」人材確保の可能性

2024.06.24

組織・人材

古屋星斗著「ゆるい職場」で感じる、「ゆるい」人材確保の可能性

永嶋 泰子

現代の若者は終身雇用に頼らず、自分のスキルを磨ける環境を求めています。コロナ禍でリモートワークが普及し、仕事観が大きく変わりました。中小企業にとっては新たなチャンス!従来の雇用の常識を見直し、長期的な雇用確保の戦略についてお届けします。

これからの時代、働き方はますます流動性を増すだろう。

具体的に言うと新卒で採用して定年まで勤めあげるという「終身雇用」のモデルはすでに崩壊していると言わざるを得ない。

もちろん、多くの人が「終身雇用」は幻であると、この失われた30年で実感してきたことであるが、ただどこかで「まだ会社にしがみついていれば大丈夫」と思っている人が多かったのではないだろうか。

その証拠に大手企業に就職すれば安泰という意識があったことが大きい。

しかし、「終身雇用」が幻であると現代の20代は実感し、そして危機感を感じている。

その証拠に大企業に就職した若者の離職率が上がっているデータがある。

せっかくの高倍率を突破して就職した大企業を若者はなぜ離職するのだろうか。

職場の人間関係の不満?

複利厚生への不満?

給与への不満?

実はブラック企業だった?

実は上記の理由があてはまらないのが、現代の若者の離職と言われている。

むしろ、2015年の若者雇用促進法によって就職活動をする学生への情報開示は進んだ。そのことによって、企業はホワイト企業になり、残業も減り、働きやすい環境が整った。

しかしながら、そのことが若者に「この会社に一生いて、他社で通用するスキルを得られるのだろうか」という不安を植え付けることになったのである。

さらにコロナ禍が追い打ちをかけた。

いままでの常識が通用しなくなったことで、人生への向きあい方が変わったのだ。

たとえば、誰もが安泰だと思っていたインフラ事業のひとつである鉄道会社。

ガラガラの車両を走らせる光景を誰が想像しただろうか?

コロナによって満員電車は一変、車両に1人、2人といった状態で走らざるを得ない事態が起きた。そして、会社にいかなくてもリモートで仕事ができることを誰もが知った。

この出来事は、日本にとって不幸なのだろうか?

私はそうは思わない。

というのも、若者は給与や待遇といった条件面でなく「本当に自分のスキルを磨ける環境」を求めているからである。

大企業では組織の歯車である。

営業部、販売部、法務部、人事部などセクションごとに分かれ個人はさらに細分化された仕事をしている。

そのなかでできるキャリア形成はごく一部である。

大企業の離職が増えているということは、日本に99.7バーセントある中小企業にチャンスがあるということなのだ。

▼参考記事

中小企業とは 日本企業の99.7% きょうのことば - 日本経済新聞 (nikkei.com)

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永嶋 泰子

「感動の先にビジョンがある」を理念として、ビジョンを持って目標を実現する「3ヶ月メソッド」を考案。 33歳で第一子を亡くし逆境から立ち直った経験をもとに、アメブロ、インスタグラム、Facebook等で継続的に発信を行なっている。 人の強みをみつけることを強みとし、イベントやコンテンツ制作のプロデュースなどを得意とする。 ▼アメブロ https://ameblo.jp/moharinayasuko ▼インスタグラム https://www.instagram.com/hanayasuko_1030/ ▼Facebook https://www.facebook.com/nagashima.yasuko

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