上海で人気のクーポン発行システム「VELO」

2008.04.04

営業・マーケティング

上海で人気のクーポン発行システム「VELO」

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

最近、上海に行くと、地下鉄各線の主要駅や、 ローソン、映画館、レストランなどに、 「VELO」(中国語名:維絡城) という広告媒体端末が設置されているそうです。 (『ビジネスマンのための中国経済事情の読み方』   DIAMOND ONLINE、2008年3月27日)

現在400台ほど設置されているこの端末からは、
端末設置地点周辺にある飲食店などの割引クーポンが
無料で発券できます。

当システムに加入している業者は、
飲食業、映画館、本屋、外国語学校など140社。

ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドも、
加入しているそうです。

当端末の利用には

「VELO CARD」

という小さなカードが必要です。

このカードは、運営会社のWebサイトで請求できますし、
あるいは、街頭で配布されている未登録のカードを受け取り、
その場で携帯電話を利用して登録すればすぐに利用可能です。

現在の登録者数は約50万人。
毎日平均5千人のペースで新規登録者(カード保有者)が
増えているとのこと。

この「VELO」が人気を博している理由ですが、やはり、

「行った先で即座に様々なお店のクーポンが手に入る」

という便利さ・手軽さでしょう。

日本では(またおそらく中国でも)、
携帯端末を利用した「電子クーポン」の仕組みが
広がりつつありますよね。

でも、この仕組みは個店・チェーン単位での登録が必要ですし、
ダウンロードには結構手間がかかります。

私もマクドナルドの携帯電子クーポンをたまに利用しますが、
操作手順が面倒なので、新聞の折り込みチラシについてくる
紙のクーポンを使うことのほうが多いです。

また、中国にも無料クーポン誌の「ホットペッパー」が
あるそうですが、日本版は区別電話帳なみに分厚い。

情報量が多すぎますし、常に持ち歩くわけにはいきません。

ホットペッパーのようなクーポン誌は、
あらかじめ、どの町のどの店に行くかを決めて、
事前にクーポンを準備しなければならないという問題が
あります。

しかし、「VELO」の場合は、
その場でサクッと近くの店を選べますね。

クーポンがあるから「行ってみようか」となることも
多いんじゃないかと思います。

さて、日本ではまだ類似のシステムは普及していませんが、
先日(4月1日)、凸版印刷が非接触IC技術「フェリカ」
を搭載した携帯電話、

「おサイフケータイ」

と、電子POP(店頭販売促進物)を組み合わせた

「販促用端末システム」

を開発したと発表しています。

これは、店舗内における効果的な販促のためのもので、

「VELO」

とは、若干目的や利用方法が異なりますが、
販促端末に「おサイフケータイ」をかざすと、
割引クーポンや特典ポイントを発行できるそうです。

当端末は、5月中旬までKDDIの

「auショップ」

や、家電量販店など3店舗に設置して、
来店者のアクセス数などの利用状況調査をするとのこと。

なるほどね・・・

しかし、どうせなら、「VELO」のような
設置エリア単位の販売促進施策として活用したほうが
消費者の人気を集めるんじゃないかと私は思うのですが、
あなたはどう思いますか?

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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