役職定年後、「やる気が下がった」人は6割 仕事にどんな変化が起きているのか

2021.06.04

組織・人材

役職定年後、「やる気が下がった」人は6割 仕事にどんな変化が起きているのか

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リクルートマネジメントソリューションズ(東京都品川区)は、「役職定年制度」などで役職を降りた会社員を対象に、「ポストオフ経験に関する意識調査」を実施した。同調査では、ポストオフを「一律の年齢や期間で組織長などの役職を外れる経験」と定義する。[コネムラメグミ,ITmedia]

ポストオフで失ったものと得たものを聞くと、「給与や期待や情報が減り、時間や自由や余裕を得た」という回答が散見された。同社は「役職者として担う責任の重圧や張り合いの大きさ、それらから解放されて生まれる余裕の大きさがうかがえる」と分析する


役職定年後、仕事にどんな変化が生じたか(出所:リリース)

仕事内容における自身の希望と、周囲からの期待はどの程度一致しているのか。これまでの経験を生かしている人は半数近く存在し、希望や周囲の期待とも比較的一致していた。一方、本人の希望が実際の仕事内容を上回る項目もあった。これまでの経験、能力、自身の関心などを生かして、第一線で活躍したいという希望をかなえている人ばかりではないようだ。

役職定年後、仕事仕事に対する意欲ややる気はどう変化したか(出所:リリース)

ポストオフ以降の仕事に対するやる気の変化を尋ねた。一度はやる気が下がったとする人は6割近く存在した。その後、やる気が下がったままの人は4割前後、やる気が再浮上した人は2割前後だった。

再びやる気になってもらうには、「仕事で成果があがった」「会社や仕事に対する自分の考え方が変わった」といったように、新たな担当業務で成果を出すことや、仕事を意味づける適応支援が有効だと同社は指摘する。

どんな準備をしておくべきか

ポストオフ前の準備や意識していたことについて尋ねた。すると、新しい環境に適応できていた人からは、「高い専門性・最新知識・新しい専門性などの知識を身につける」「権威を振りかざさない」「社内人脈を広げる」といったように、周囲との関係性づくりに関する回答が多く寄せられた。同社は「役職以外の現場業務を遂行するための知識更新、関係性構築がポイントのようだ」と分析する。

役職定年前、どんな準備をしていたか(出所:リリース)

新しい環境に適応できた人が「やっておけばよかった」と考えることは何か。部長職の経験者の回答では「若い世代から学ぶ」(18.9%)や「シニア世代が職場で力を発揮できるようにする」(17.9%)が上位にきた。また、課長職の経験者の上位は「キャリア相談やガイダンスの受講」(17.6%)などだった。役職にあるうちに、若い人もシニアも共に活躍できる職場を作るべきだったと考える人が多かった。

今回の調査は、従業員規模300人以上の会社に勤務し、「役職定年制度」「役職任期制度」およびそれらに準ずる運用によって、課長クラス・部長クラス・役員クラスの役職から外れた経験があり、その後も同じ会社に正社員として継続的に勤務している50~64歳の人を対象に、インターネット上で行った。期間は21年3月12~14日、有効回答数は766人。

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