新卒の最終選考はゲームで

2008.03.19

組織・人材

新卒の最終選考はゲームで

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

ほぼ500人近い応募者からわずか5名の採用者を絞り込む選考過程にゲームを取り入れている企業がある。その結果は、過去10年での内定辞退者ゼロだ。採用にゲームはどう活かされているのだろうか。

内定辞退者ゼロを誇るのは、決して超有名上場企業でも、今をときめ
くITベンチャーでもない。屋上緑化というどちらかといえば地味な事
業を手がける東邦レオ株式会社である。年間売上高にして約60億
円、いわゆる中堅企業である。同社のホームページによれば従業員数
が約200名だから一人当たり売上高も3000万円、可もなし不可もな
しといったところだ。

ところがここ最近の明らかな売り手市場傾向にある就職戦線で、同社
は実に500人近い応募者を集める。これに対して大学新卒の採用枠は
年間5、6人だから競争率は実に100倍になる。採用サイドからみれ
ば、100人に一人の逸材を選んでいるのだから、内定辞退は何として
も避けたいところだろう。そのために同社ではゲームを取り入れたユ
ニークな選抜方法を採っている。

同社の採用活動には三つユニークなポイントがある。まず社長が3ヶ
月間、採用活動につきっきりになること、次が「問題発見、問題解決
能力」判断のための筆記・面接試験を行うこと、そして最終選考を
ゲームで行なうことの三つだ。

同社の説明会は全国で10回近く開かれる。この説明会すべてで社長
がスピーチに立つ。といっても話の中身に事業内容はまったく含まれ
ない。社長自身の経験、生き様、考え方を語り「こんな経営者と一緒
に働きたいか」と問いかけるのが狙いだ。

このスピーチに共感し次の筆記・面接試験に進むのが、応募者の4割
程度、人数に直せば200人ぐらいといったところだろう。彼らは問題
発見力と問題解決力のフィルターによって厳しいふるいにかけられ、
約9割が落とされる。その結果、問題発見力と問題解決力ありと判断
された20人程度が最終選考にチャレンジすることになる。

その最終選考がゲームである。ここでは企業の管理職研修用に開発さ
れた「マネジメントゲーム」が使われる。このゲームではチームでは
なく参加者一人ひとりが経営者となって競い合う。すなわち他の参加
者の戦略を読みながら研究開発から販売までの意思決定と必要なビジ
ネスプロセスをすべて行ない、最終的にどれだけの利益を上げられる
かを競うゲームだ(→ http://www.nishiken.jp/mg.htm)。

モノポリー、人生ゲームなどの要素をベースに、情報システムとして
企業会計原則、原価計算基準なども取り入れており、終了後には自分
で決算書を作らなければならない。厳しい試験をくぐり抜けた学生だ
からこそ、このゲームにも付いていくことができるのだろう。

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