「コロナで露呈」してしまったマネージャー

2020.12.27

営業・マーケティング

「コロナで露呈」してしまったマネージャー

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

人は危機になったときに、本来の力が試される。 これは今年もっとも感じたことのひとつだった。 今年で言えば、「コロナで露呈」となるのだろう。

そういう意味では、やっと、上司は上司らしく、経営者は経営者らしい仕事をしなければならなくなったということか。

本当は上司なりに、今後のビジネスの戦略や、アフターコロナのビジネスをどうするかを考えなければならないのは明らかなのだが、これまで、過去の実績ばかりを自慢してきた上司は、残念ながら、どうしていいかわからない。過去の実績といっても、多くはバブル期の自慢話だったりするため、そもそも本人の手柄ではない。自分の力ではないのだから、自分で戦略を考えることなどできるはずはない。まさに「コロナで露呈した」のだろう。

実際に、オンラインのなかで、新しい商談をまとめたり、大きなプロジェクトを進めたりできている人はたくさんいる。

つまり、これまでに確実に、プロジェクトマネジメントのスキルを身につけ、メンバーや顧客との信頼関係を築いてきた人は、手段や環境がどうなろうと力を発揮しているのだろう。

これまで、表面的なつきあいや実質的な貢献を何もしてこなかった人にとっては、これもまさに「コロナで露呈」してしまった。

実際、コロナ自粛期間中に、今後の社内体制、サービスの提供方法、学ぶべきテクノロジーに関する情報収集など、自分事として、必死に考え、すぐにスタートを切った経営者がいたが、こうした行動に移れるかどうかも、それまでに培ってきた「考え方」のたまものだ。

一方、これまであまり自分で考えることなく、環境に乗っかってきた人には、こうした思考も行動も残念ながらできない。

同じく「コロナで露呈」だ。

若手はさらに大変だ。教えてくれる優しい上司は、もういない。マネジメントにおいても、完全に「コロナで露呈」してしまったのだ。

会社に来ない人たちをマネジメントする術を持つマネージャーなどほとんどいない。だから、どうやって成果を出していくのか、自分で考えなければならない。

一方、見方を変えれば、その分チャンスは大きくなる。これからの長いビジネス人生を考えれば、キャリアという視点からの内省も必要なのかもしれない。

2021年も、現在の状況が一変して良くなることは考えにくい。

中小企業には、すでに余力もなくなってきたところも少なくない。残された時間も多くない。

ビジネスを担う人たちは、少なくとも、この年末年始、約1週間のリフレッシュのなかで、考え方を変え、新たな環境に挑む決意をしなければならないのだろう。

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