プライバシー侵害も心配される「走行税」は、本当に導入されるのか?

2020.02.10

ライフ・ソーシャル

プライバシー侵害も心配される「走行税」は、本当に導入されるのか?

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南青山リーダーズ株式会社

収入を得れば所得税、会社を作れば法人税、モノを買えば消費税、家や土地を持てば固定資産税、住めば住民税、贈れば贈与税、親からもらっても相続税……と、生きていくためには実にさまざまな税金を支払わなくてはならない。われわれを取り巻くほぼすべてのものに税金がかかっているわけだが、それでも国はまだまだ税収不足だという。もしかしたら近い将来、新しい税金が誕生するかもしれない。そんなわれわれ庶民の心配をよそに、「走行税」という新税の導入が検討されていることをご存じだろうか。この「走行税」とは、自動車で走った距離に応じて税金がかかるというもの。すでに導入されている国もあるようだが、果たしてわが国では国民の理解を得られるのだろうか。もちろんまだ導入が決まったわけではないが、政府は少しでも税収を上げたいわけだから、今後の政治の流れ次第ではおかしな(!)ことにもなりかねない。今回はそんな走行税について調べてみた

【アメリカ】
他にもアメリカのオレゴン州で導入されているし、カリフォルニア州など9つの州でも実証実験をしている。
そのほか、ヨーロッパでも導入に前向きな国はいくつもある。世界的に見れば、走行税導入は格段珍しい税金ということにはならない。むしろ、地球温暖化を促進させる化石燃料を使った自動車の利用抑制につながる税金として、注目を集める存在になっているようだ。

いまなぜ、走行税導入が検討されるのだろうか

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現在、導入が検討されている走行税は、既存の自動車税の代わりに納める税金になる可能性が高い。なぜこうした税金が検討されるのだろうか。

“若者の自動車離れ” といわれて久しいが、自動車は以前より確実に売れなくなっていることが大きな要因のひとつだろう。バブル期のように高級な自動車を持つことがステータスだった時代はとうの昔に過ぎ去り、今ではレンタカーやカーシェアを利用し「必要な時だけあればいい」と考える人が相当数にのぼっているのだ。

また、電気自動車やハイブリッドカーの増加によって、ガソリン車が減少。地球環境にとってはよいことなのかもしれないが、ガソリン税の税収も年々減少している。つまり、自動車に課せられる税金の制度設計そのものが、時代にそぐわず古くなってしまっているということだ。これが走行税導入への最大の要因なのだ。

走行税のメリット・デメリットを考えてみよう

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では、走行税が導入されるメリットとデメリットには、どのようなことがあるだろう。

【メリット】
① 自動車は持っているものの、あまり乗らないという人などは、現在よりも税金が安くなる可能性がある。
② 電気自動車やハイブリッドカーにも、ガソリン車同様の税金を課すことができる。
③ 国の税収を増やすことができる。
④ 走行距離を正確に申告するため、自動車メーターと課税が直結するような、新たなインフラが整備される可能性がある。

【デメリット】
① 現在でも何重に課せられている自動車に対する税金がさらに増える。
② 自動車しか移動手段がない地方在住者に大きな負担がかかる。
③ 運送業などに大きな負担がかかり、配送料などに転嫁される可能性が高い。
④ 走行した距離をどのように正確に申告するか、問題点も多い。
⑤ 今以上にクルマ離れの風潮が広まる可能性が高い。

走行税が税金であるがゆえ、メリットは国に、デメリットは納税者に偏ることは仕方のないところだ。特にデメリット④に関しては、すべての自動車で正確な走行距離を測れるのかどうか、税の公平性の観点から難しい問題がある。自動車にGPSを装着して走行距離を測るといったアイデアもあるが、これはその人がどこを、いつ走ったのかデータが残ることになり、個人のプライバシーの侵害にもつながりかねない。

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