そして誰もいなくなった

画像: Shutterstock_ metamorworksさん

2020.01.29

経営・マネジメント

そして誰もいなくなった

野町 直弘
調達購買コンサルタント

以前、シャープが台湾のEMSである鴻海に出資を受ける際に、シャープの元社長であった町田氏が、鴻海の技術開発拠点を訪れ、その時に「もう抜かれとるやないか」という発言をされました。そう、気がついた時にはもう誰も周りにいなくなっているのです。正に「そして誰もいなくなった」のです。

冒頭に紹介した勉強会でのトピックは、それを象徴するような気がしてなりませんでした。

以前、シャープが台湾のEMSである鴻海に出資を受ける際に、シャープの元社長であった町田氏が、鴻海の技術開発拠点を訪れ、その時に「もう抜かれとるやないか」という発言をされたことが印象に残っています。そう、気がついた時にはもう誰も周りにいなくなっているのです。正に「そして誰もいなくなった」状態。こういう状況が続くと、日本の優秀な人材は日本企業で働くのではなく、中国企業の門戸を叩き始めるでしょう。優秀な人材がプレゼンスや高い報酬、働き甲斐を求めて国外に流出するのは極めて当たり前な話です。
私が社会人になったころ、外資系といって、主に米国企業の日本法人で働く優秀な人材が増えました。私も外資系企業に勤めた経験が何度かありますが、非常によい経験でした。同様に、今後は活躍の場があり、報酬が高く、世界的なプレゼンスも高い、成長市場の中国企業へ働く場を求める人が徐々に増えていくでしょう。

そうするとタイトルではないですが、「気がついたら日本は抜かされていた」、そして優秀な人の多くは日本から出ていってしまい、「そして誰もいなくなった」という社会になってしまうのではないでしょうか。
ちょっとショッキングなことですが、可能性がない訳ではありません。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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