調達人材のタレントマネジメント

2020.01.15

経営・マネジメント

調達人材のタレントマネジメント

野町 直弘
調達購買コンサルタント

APQCの興味深いレポートと2015年に出された人材育成勉強会の報告の共通点とは何か。今後調達人材のタレントマネジメントはどう変わっていくか。

1.ゴール設定力
2.戦略・戦術策定力
3.豊富な引出し(経験・知識・スキル)
4.情報収集・分析・加工力
5.論理的思考力
6.リーダーシップ
7.コミュニケーション力
8.人的ネットワーク
9.自分のスタイル・言葉
10.強い信念

言葉は微妙に異なりますが、APQCのレポートと同様のスキルが並んでいます。また、この10要素にはJOB-SPECIFICなスキルは入っていません。何十回かの議論を経るうちに、やはり結局は、このようなファンダメンタル系のスキルが必要だよね、ということに行きついたのです。

またチームの報告ではこれらの10要素を育成するために、OJT、OFFJT、自己啓発、ジョブローテーションなどを活用していく必要がある、としており、最終的には人材育成には近道がなく、何十年かかけて木々を育てていくような「庭師の心がけ」が重要、とまとめています。

従来の人材育成はどちらかというとJOB-SPECIFIC系スキルの育成が中心で、その時にはOJT、OFF-JT、自己啓発が特に有効な施策と考えられてました。しかし今後、これらのレポートのように、よりファンダメンタル系のスキルが重視されてくると、従来とは異なった育成施策を取らなければならないでしょう。

APQCのレポートでは自部門の見識範囲でのみの育成ではなく、人事部門や外部リソースなども活用して、不足しているスキルの獲得を図るべきと言っています。また、キャリアパスの視点など、ジョブローテーションを活用するなど、必要スキルの取得法を見直す必要があるでしょう。

私は今後、このようなファンダメンタル系スキルが益々重要視されると、意識的なキャリアパスの設定と活用、外部からのキャリア活用、人事部門と協業したカリキュラムの構築・実施などが益々重要になってくる筈だと考えます。

いずれにしても調達購買人材育成の方向がドラスチックに変わるきっかけになり得るものだと考えられるでしょう。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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