中国で急速に普及する「信用スコア」。信用の数値化は日本でも導入が進む?

2019.12.03

IT・WEB

中国で急速に普及する「信用スコア」。信用の数値化は日本でも導入が進む?

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南青山リーダーズ株式会社

毎月のローン返済やクレジットカードの支払いを、ほとんどの人は銀行引き落としにしているはず。しかし、銀行口座の残金が足りなくて、引き落としされなかった経験を持つ人も多いだろう。「後日、請求ハガキがきた時にでも、コンビニで支払えばいいや……」などと甘くとらえていると、将来、痛い目にあうかもしれない。 中国などではすでにかなり普及しているといわれている「信用スコア」は、こうした支払い能力などを数値化して個人の評価とし、それをさまざまな社会的手続きに活用しようというもの。それはまさに、大人のための「通知表」といえるもので、この信用スコアは中国のみならず日本でも導入が進んでいるという。 信用スコアとは一体どんなものなのか、問題点はないのか、そして日本でも今後普及していくのかなどについて調べてみた。

画像で示した一例のように上記5分野のレーダーチャートが提示され、自分がどの分野において、どれくらい評価されているかが、わかるようになっている。さらにそのうえで、その人の信用スコアが350〜950点の範囲で数値が提示される。このスコアが600点以上あれば「よい」、700点以上なら「非常によい」と評価されることになる。

信用スコアが高ければ、個人向けの融資を低金利で受けられるのはもちろん、ホテルの宿泊、自転車のレンタル、医療機関の受診、図書館での本のレンタルなどでもデポジットが免除されたりする。加えて、このスコアが婚活の条件になったり、履歴書に記入を求められたりもするようになってきているという。

つまりは、信用スコアが高い人=社会的信用も高い、と評価されるようになっているわけだ。

信用スコアの最大の問題点とは

クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

信用スコアの数値次第によって、「信用スコアが高い人=社会的信用も高い」といった具合に人生が左右されるようなことになっていることが理解できるが、果たしてこの信用スコアは、それほど信頼が置けるものなのだろうか。

実際に、中国の芝麻信用の最大の問題点と指摘されている点は、不明な算出方法にあるようだ。

先述した通り、「芝麻信用」はアリババが行っているサービスであるため、ネットショッピングで返品したり、支払いが遅れたりするなどのトラブルがあると、その行動がすぐさまマイナス評価につながる……、あるいは、アリババ以外のネット通販会社を利用するとその行動がマイナス評価になる……といった具合に、算出方法についてさまざまな噂が飛び交っているようなのだ。
その算出方法が公表されていないゆえ、これらの噂が事実なのか、あくまで噂なのは、想像の域を出ることがない。

また、業者が収集した個人情報がどのように管理・利用されているかについても、大きな懸念材料となっている。政府によって、多くの個人情報が管理されている中国の現状を考えれば、この信用スコアを政府が活用していることは容易に想像がつくだろう。

情報大手を皮切りに、日本でも始まっている信用スコア

この信用スコアは、日本でも徐々に普及が始まっている。

みずほ銀行とソフトバンクが設立した「J.Score(ジェイスコア)」は、日本で初めて人工知能によるスコアリング審査(AIスコア・レンディング)を導入したもの。申し込みをした人のデータをもとに、その人の信用力など、AIを活用してスコア化する。このAIスコア・レンディングは、これまでの信用調査で重視された年収や勤続年数、雇用形態などの情報に加え、申込者の思考や行動パターンなども加味されるところが、これまでの信用調査と一線を画している点になる。

次のページ日本にも信用スコアは普及していくのだろうか?

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