ダイバーシティーと働き方改革

2019.11.13

経営・マネジメント

ダイバーシティーと働き方改革

野町 直弘
調達購買コンサルタント

ダイバーシティと働き方改革は同時に進めないと意味がない、とい言われていますが、 どういう意味でしょうか。それは働き方改革はあくまでも手段であり、ツールだからです。

先日の記事で取り上げましたが、元カルビー会長の松本晃さんが「ダイバーシティーと働き方改革は同時に進めないと意味がない」とおっしゃっていらっしゃいましたが、どういう意図なのか、もう少し調べてみました。

ダイバーシティーが重要なことは皆さんも感じられていることでしょう。カルビーでは女性の登用を積極的に進めており、8年間で女性管理職の比率を4倍まで引き上げました。具体的には2010年春に5.9%だった女性管理職の比率を18年に26.4%にまで上げたということです。

発想の根源は、「世の中の半分が女性なのだから、使わないで戦えるのか?」というもの。ただ女性を登用するためには、個々人にあった働き方を容認する必要があります。例えば、カルビーの場合は小学生の子供が2人いる女性の執行役員に、毎日夕方4時に帰るように、松本氏が命令し実際にやってみたところ、結局、本人にも会社にも何の問題も起きなかった、とのことです。

このように、働き方改革は目的ではなく手法と捉えなければならないことを松本さんはおっしゃっているのです。

ダイバーシティーというと日本企業の場合は、まずは女性の登用から始まり、ハンディキャップを持たれている方、外国人、LGBTの方たち、というのが通念かも知れません。ダイバー
シティの重要性については最近ではラグビーの日本代表チームの例が上げられます。

外国人の活用で成功したラグビー日本代表チームは、OneTeamがスローガンで、海外出身選手が多くを占めています。今回日本チームがベスト8に進出できたのは、間違いなくダイバーシティーメンバーだったからです。元々は、故平尾誠二さんが日本代表監督だった時に海外出身選手を日本代表に召集したことが始まりだったようですが、今はこれが当たり前になっています。誰もラグビーチームのダイバーシティーに異論を唱えたりしません。

彼らの多くは日本のトップリーグ参加企業に所属し各企業とプロ契約をしています。一方で一部、トップリーグ参加企業の社員として給与収入で生計をたてている選手もいるようです。外国人は殆どプロ契約のようですが、トップリーグ以外にも南半球のプロリーグであるスーパーラグビーにも属している選手もいます。

このように考えると企業としての競争力強化、人材増強のためにもダイバーシティーは不可欠であり、ダイバーシティーを確保するためには、一律の働き方ではない働き方改革が必要とつながります。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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