2019年前半の世界経済を振り返って

2019.07.02

経営・マネジメント

2019年前半の世界経済を振り返って

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今年も半年が過ぎ去りました。皆さんは今年初めに想像していた経済金融の風景は、今の風景と大きく違っていたでしょうか?それともほとんど同じであったのでしょうか? そして、資産は理想の通りに増えましたでしょうか?どうにも芳しくなかった、と思っている方が多いのではないのでしょうか。 今回は、いったん立ち止まり、2019年の上半期を振り返りたいと思っています。

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米GDPは好調も他国は追従できず

重要なのは短期金利先物のイールドカーブ(利回り曲線)がどの時点で最低利回りを示し、反転してくるのか。
つまり底はどのあたりであるかを短期金利ディーラーは読んでいるのかであると筆者は考えます。
現状では2021年3月限1.455%に位置します。景気が更に悪化し、追加利下げがあるのではと読めば、この限月から更に延びます。反対に景気が戻ってくると判断すれば、この限月から手前に金利の底が見られることになるのではと思います。

米経済は現在GDP(国内総生産)も直近第1四半期では3.1%と非常に好調です。冷静に米国経済を見ると、結構良いのではと言うのが筆者の感想で、金利の底も前に来るのではと推測します。
その他失業率を見ても他の主要経済圏よりも遥かに良い数字となっています。結果として筆者は、今年は米国の景況感、その他経済圏の金利政策を鑑み、最大0.50%の利下げもあるのかなと思うのですが、来年は再び辛抱強くとの政策に再び戻り、FF金利据え置き、景気の推移を見守る動きを強めるのではないかと思います。引き続き中期的米中貿易摩擦の進展を見守る動きが今年下半期も続くのではと思い描いています。

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欧州圏では政局含め不安定な動き

次に欧州、日本、その他主要先進国の債券市場を見てみましょう。欧州の債券市場でのリスク回避の利回り低下の動きが継続しています。
指標銘柄の独連邦債10年金利は、年初0.22%でしたが、現在は-0.35%近辺とマイナス金利となっています。景況感は、米国よりも圧倒的に悪化していると言えます。
ユーロ圏経済では一番大きなドイツは、第1四半期GDP:0.7%と米国の3.1%と比較すると非常に悪いと言えます。ユーロ圏全体の数字も1.3%とこちらも米国と比較すると非常に悪く、英国の債券利回りも低下を続けています。
英ギルト債10年を見ると、年初1.25%でしたが、現在では0.80%近辺と0.50%程度低下しています。EU(欧州連合)からの離脱(Brexit)が依然としてこの国の政治経済の大問題と言えます。
メイ首相も交代する予定であり、後任にジョンソン前外相が就任するのではと観測されています。ジョンソン氏が次期首相に就任された場合には、合意のある離脱を目指しているようです。
しかし政治的に混乱期にあり、Brexitの正確な見通しは依然として不透明と推測されます。混迷が続き、こちらも債券利回り低下の動きとなっています。

次のページスペイン債は市場のリトマス試験紙に

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