疑心暗鬼の世界経済減速!

2019.04.22

経営・マネジメント

疑心暗鬼の世界経済減速!

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IMF(国際通貨基金)が今月世界経済見通しを発表しました。世界全体の景気減速が次第に明確になりつつある、そんな発表です。

”アメリカ・ファースト”の行方は?

そして米国ではどのように動いているのでしょうか。筆者は、米国の経済見通しは2.3%1月時点よりも0.2%下方修正されているものの、予想よりも高い数字であることから、むしろ楽観視しても良いのではと思い始めています。
2%以上の高い経済成長率は中国の6.3%に次ぎます。最近の米国で発表される経済指標でも、意外と良い数字の連発と言えます。今月に入り、米3月失業率3.8%、非農業部門雇用者数19.6万人増、消費者物価指数1.9%前年比、小売り売上高1.6%前年比とどれも良いものです。
これに対して、FRB(米連邦準備理事会)は、どのような態勢で臨んでいるのでしょうか?最近のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、金融政策について辛抱強く判断を急がない方針で行くようです。
年初は年後半にも利上げが実施されるという観測が強かったのですが、その後の景気悪化観測、それにつれて金利が下落方向に向かったことから、年内利下げ観測まで出てくる市場環境でした。
それに輪をかけたのがトランプ大統領のFRBへの政治介入で、トランプ大統領は、0.50%利下げをすべきだと主張しています。そして空席のFRBメンバーにはトランプ大統領の意向を強く反映させる人物を指名する意向のようです。
FRBがトランプ大統領の影響を受けた政策変更をするのかにも注目でしょう。過去にはジョンソン大統領時代、レーガン大統領時代にも同じような事象があったようです。筆者は、金融政策に政治の関与はあってならないとの立場です。金融の総元締めは政治の影響を受けてはならないのが原則です。

気になるチャート予測 筆者は

ここまでを簡単に振り返ると、世界経済に減速感が強まる中、
①米国は比較的良い経済状態にある。
②中国は米中貿易摩擦にも関わらず、良い経済状態を維持している。
③欧州特にユーロ圏の景気減速が鮮明である。
④日本は消費税引き上げというマイナス要因が秋に控えている。

というような流れが見えてきます。

筆者はドルの金利の流れを見ることにいつもヒントを得て、シナリオを構築する癖があります。下記グラフは米10年債の過去3年の利回りの推移を示しています。利回り低下が3.00%を超えた2018年から始まり、そして現在は2.60%前後に位置します。
今年3月下旬に一時期2.40%を下回る時期があり、Brexit(英国のEU離脱)という問題に焦点が当てられた時期でした。FRBの利下げ観測が台頭し、リスク回避志向がマックスに達した時期でした。
景気と金利にはサイクル(循環論)があります。現在は米経済指標が良いことから、金利上昇局面に入っているのではないかと思います。10年債利回りが2.75%を超えて、3.00%に向かうと、市場はやはり利下げはないとのコンセンサスに向かうのではと推測されます。これには米中貿易交渉の行方が大きく関わってくるのではないかと思います。


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