ECBがフォワードガイダンスを変更!

2019.03.12

経営・マネジメント

ECBがフォワードガイダンスを変更!

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ECB(欧州中央銀行)が金融政策の変更を発表しました。3月7日開催の定例理事会で、フォワードガイダンスの変更、新たな資金供給策の発表、そして経済成長率、インフレ見通しの下方修正等の発表をしました。それぞれの項目を詳しく説明しましょう。

フォワードガイダンスの変更

フォワードガイダンス(forward guidance)とは中央銀行が前もって将来の金融政策の方針を表明することです。ECBの場合には昨年6月のフォワードガイダンスで、政策金利は少なくとも2019年夏までは現行の水準を維持すると声明文で明記されていました。
しかし、今回の声明文では、主要政策金利は少なくとも今年末または2%の中期的なインフレ率を下回るか、近づかないと判断される限りの間は、現行の水準にとどまると明記されました。

今年に入り、ユーロ圏の経済指標は景気後退を示す数字が相次ぎました。特に主要国独、仏経済指標に悪い数字が続出しました。独昨年第4四半期GDP(国内総生産)0.6%前年比と、第1四半期2.3%から悪化の一途をたどっています。
ユーロ圏全体の数字を見ても第4四半期1.2%とこちらも第1四半期2.5%から悪化傾向が鮮明でした。そのため、物価上昇もECBのインフレ目標2.0%からは程遠いものでした。その要因は様々推測されます。
一つには、米中貿易摩擦を主要とするアメリカの輸出入の動きに対し、グローバルにトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」の貿易政策は影響しています。ユーロ圏、特に独との貿易赤字を問題視する動きにあり、トランプ大統領が改善するように求めていることで、米国への輸出が落ち込む傾向があるようです。
またロシアへの経済制裁が依然と尾を引いており、貿易額が上昇していません。エネルギー政策で米国からの圧力がかかっています。
さらにBrexit(英国の欧州連合からの離脱)問題も影響しているようです。今月末の離脱期限を迎え、英政界は依然としてその動向に不透明感が見られます。離脱期限の延長、再国民投票の観測があり、まだまだ見通しが立っていない現状と言えます。

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経済情勢への危機感

このような不安材料から、ドラギECB総裁以下メンバーはユーロ圏の景気後退が明確になりつつある中、金融市場に事前に政策金利を年末かそれ以降の必要な期間、現行の金利水準を維持しておいた方が良いとの判断メッセージを伝えることにしました。
現在のECBの主要政策金利(main refinancing operations)0.0%、貸出金利0.25%、預金金利マイナス0.40%となっています。ゼロ金利政策をしばらくの間続けることになります。
この金利体系では、金融機関はユーロ圏各国中央銀行に預けてもマイナス金利0.40%、つまり手数料を払って預金することになります。金融機関は積極的に民間企業に貸し出してくださいというメッセージを発しています。
それほどECBは現在の経済情勢に危機感を持っており、そのための金融政策をこれまでの想定以上に継続しなくてはといけないと認識していることになります。

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