どうも知らない間にトイレが進化して、すごいことになっている。日経新聞に新製品として取り上げられたINAXの「レジオ」。その極端な商品スペックと狙いを少し考えてみたい。
本質的なところではないのだが、商品紹介としてその便器が設置されているトイレの画像に、まず驚いてしまう。トイレというより書斎の趣で、「うーん」、こんなところで仕事がしたいなぁ」と訳の分からない感想すら持ってしまうのだ。
http://www.nikkei.co.jp/newpro/life/20080226e000y89326.html
もとい、商品であるそのトイレの便器・・・と、もはや便器と呼ぶのすら、はばかられるのだが、古来、便所は「はばかり」というのがまた妙な話だ。
再びもとい、商品であるが、しばらく前から高級ラインには取り入れられてきた、「貯水タンクなしトイレ」だ。<貯水タンクがないため小さく、空間を有効活用できる。>とのことだが、まぁ、上記の商品紹介写真のようなトイレはともかく、もともとあまり広い空間ではないとすれば、圧迫感を無くすため有効かもしれない。
しかし、「レジオ」のすごいところはそれだけではない。こだわりは「音」にあるようだ。<洗浄時に水を渦巻き状に流すほか、便器内の空気を吸引して水が排水口を通る際に空気と混ざらないように工夫したため、洗浄音を低減できる。>
・・・えーと、既によく分からないテクノロジーが駆使されているところが、なんだかすごい。バブルの頃からだろうか、高級なマンションのお宅に伺ったときや、高級ホテルに宿泊したとき「なんだか力なく流れるトイレだなぁ」というのが登場したのは。後に、高い便器は最初ゆっくり流れ、最後に一気に吸い込むようにできているのだと知った。
個人的には、最初から「ザザーッ!」と流れてくれた方が気持ちがいいのだが、やはり高級品に向いていない性だろうか。
だが、まぁ、そんな流れ方が好きな人もいるだろうと思うと、さらに「音」へのこだわりがあった。<使用時にジャズ音楽が流れる機能も付けた。>・・・・。排泄音を消すために水を流しちゃう人は後を絶たず、エコロジー的には良くないので、立派なソリューション(問題解決)になってはいるのだが、トイレ使用中に自動的にジャズが流れるのは、個人的には何とも違和感がある。
子供の頃、地域のゴミ回収車が「乙女の祈り」を流して毎日やってきたので、哀れ、「乙女の祈り」は「ゴミ屋さんの曲」になってしまった。「トイレの曲」になってしまうジャスの名曲は何だろう?と心配していたら・・・何と!名ジャズピアニスト・木住野佳子さん(http://www.kishino.net/html/all.html)の書き下ろしだというではないか!!
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。