ドル金利イールドカーブのフラットニング化と今後の見通し

2018.12.12

経営・マネジメント

ドル金利イールドカーブのフラットニング化と今後の見通し

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南青山リーダーズ株式会社

前回のレポートでは、原油・商品相場にも注目し、株式、金利債券市場の参考にしましょうと記述しました。 しかし、その記述とほぼ同じくして、大きく金利・債券市場が動いてしまいました。 そこで、今回は現在の金利・債券市場の現状を説明してみたいと思います。

これについてメディアでは、長短金利が逆転しているとも報道しており、ウォールストリートジャーナル紙のフェドウォチャーでは、来年以降は様子見を検討、利上げペース減速かとの見通し記事まで書いています。
短期金利先物だけの利回り変化を見ると、2019年2.8~2.9%、2020年2.7~2.8%、2021年2.7%~2.8%の動きとなっており、短期金利は20年以降上昇しないシナリオを短期金利ディーラーは描いているようです。
そんなことから、景気が更に悪化すると、FRBは利下げ実施も選択肢に描くことになるのかもしれません。

ここまでを前提に、株式市場の動きを見通してみましょう。
債券利回りが上昇しないということからは、住宅金利の下落、企業の資金調達で金利上昇負担が減退といったメリットの部分がそのうち脚光を浴びるのではないかと予想します。
景気は循環的にサイクルを示します。悪くなると金利低下のメリットを享受し、そしてそれが起爆剤となり、景気回復の動きとなるのです。
数年先の短期金利先物には大きく下げる動きはなく、健全な株式市場の調整、そして上昇を繰り返す動きではないかと思います。
少なくとも大きく一方的な暴落局面は避けられるのではないかと、筆者は楽観的に予想しています。

さいごに

循環的な株価の動きは投資家にとっては、恐怖心との背中合わせとなります。チャート上の上値、下値を的確に見通すのは至難の業のように筆者も思います。
「タイ焼きの頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言があります。胴体の太い部分だけ美味しくいただければそれでよしということです。
そこそこ、程よい利益を頂き、心理的に良好な状況を維持する。リスクのある市場環境からは一時的撤退しても良いのではないでしょうか。
その意味では、ディフォルトリスクが少なく、ミドルリスク、ミドルリターンの5~6%を狙ったクラウドファンド商品は、現在の金融状況下では一番の最適投資商品のように筆者は思います。投資家のポートフォリオに多く組み入れたい金融商品です。


«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。

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