トレーニングは「なりたい自分」を具体的にイメージして!

2008.02.22

ライフ・ソーシャル

トレーニングは「なりたい自分」を具体的にイメージして!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

ビジネスのため、自己啓発のためと、昨今様々な研修やトレーニングに参加する人は多い。せっかく参加するのだから、成果が出た方がいい。いや、出さねばならない。なので、講師でもある筆者から、参加する前後のポイントをお伝えしたい。

当サイトでも何度か紹介したが、筆者の専門領域である、マーケティングにおける「ニーズ」の解釈を少し詳しく考えてみよう。
様々な事象に対して、人には何らか理想とする状態がある。そして、現状がそれを満たしていない場合は、不足状態だ。そして、そのギャップのある不足状態こそがニーズだ。
有名な言葉「顧客はドリルが欲しいのではない。穴が空けたいのだ」。
その人は何らかの理由で目の前に穴が空いていないと困る状態なのだが、それがない。なので、そのニーズを満たす対象物として、穴を空ける道具であるドリルを欲している。この場合、ドリルは「ウォンツ」である。

さて、研修・トレーニングに参加するということは、何らか自分の理想の状態に届きたいと思ってのことのはずだ。理想との不足を埋めるというニーズだ。
自己啓発だけではなく、会社から指名された場合もあるだろうが、その場合、会社が自身の今後進むポジションに不足している部分があると判断したのだろう。
その不足状態を埋める手段として、研修・トレーニングに参加することになるということだ。つまり、研修・トレーニングは、対象物である「ウォンツ」なのである。

さて、そうした状況下で最も必要なことは、「自らの不足部分の認識」だ。
「何となく」とか、「命令されたから」と、自らの参加する研修・トレーニング内容がどのようなものか理解せずに参加するのは時間の無駄以外のなにものでもない。そして、さらに必要なことは「覚悟」を持つことだ。

そのために、筆者は一つの答えを持っている。「宣言」だ。
時間がタイトなビジネススクールや短時間の研修などではなかなかやれないのだけれど、余裕があるときには、開講から程なく、この研修・トレーニングに参加して「何を学びたいのか」「達成目標は何か」「研修・トレーニングから持ち帰りたいのは何か」を冒頭で宣言させる。
あまり意識していない。もしくは具体化していない受講生はそこで考えることになる。
その後、自らが宣言した内容を意識して受講する。
さらに最後に、受講の仕上げとして、研修・トレーニングで一番学んだものと、それを今後の業務にどう活かしていくかを、正に宣言させる。全受講生の前に立って。

計画を立てる。その計画通りに学ぶ。その後の活用計画を考える。より、学びの意味を明確にするには、それぐらいの覚悟が必要なのだ。

筆者は自身が講師を務める、いくつかのプログラム中に組み込んでいるが、そうでない研修・トレーニングに参加し、効果的に学ぶ時にも、「なりたい自分をイメージする」ことをお勧めする。研修・トレーニングは、先ず自らが「なりたい人」、つまり、「あるべき姿」をイメージすることが重要だ。そして、その「ニーズギャップ」を認識する。宣言のように声に出さなくともいい。
筆者は受講生に講義のはじめに5分間与え、「今回の研修・トレーニングの自分のゴールをテキストの表紙に明記してほしい」と指示する場合もある。要するに、表出化させることが重要なのだ。そして、プログラム終了後、達成度をチェックさせるのである。

研修・トレーニングの重要性が個人にも企業にも高まっていいる。そこに費やす自らの貴重な時間を無駄にしないためにも、達成目標イメージを明確に持って取り組むことを切に願う。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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