プロ野球球団。本拠地移転問題から見る球団の経済事情(2)

2018.05.23

経営・マネジメント

プロ野球球団。本拠地移転問題から見る球団の経済事情(2)

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プロ野球開幕から早2カ月。日本の全国各地で熱戦が繰り広げられる一方、海外で活躍する日本人選手にまつわる「SHO TIME」や「生涯契約」といったキーワードもまた話題になっている。

そんな中、前回は「北海道日本ハムファイターズ。本拠地移転問題から見る球団の経済事情(1)」と題し、北海道日本ハムファイターズが2023年、札幌ドームから本拠地を隣接する北広島市に移転し、新球場を建設する計画に触れた。この移転に伴い、日本ハムの新球場開業後10年で北海道に莫大(!?)な経済効果が期待されている点についても解説したが、今回は他球団の本拠地球場事情について紹介しよう。

自前か、賃貸か。3つに大別できる球団と球場の関係

前回の記事でも述べたが、北海道日本ハムファイターズが札幌市から北広島市に本拠地を移転するのは、札幌ドームの高額な球場使用料がネックだったから。プロ野球の球団の総収入は平均100億円といわれており、選手の年俸に経費がかかる分、球場使用料はできるだけ抑えたい支出であることはいうまでもない。

日本のプロ野球の球団がホームゲームを主催する本拠地球場について、以下の3つのタイプに大別されることをまず確認しておこう。
① 球団が所有し、運営・営業権も持つ「自前型」
② 自治体などが所有し、球団は運営・営業権も持たず、球場使用料を支払う「賃貸型」
③ 球団の所有ではないが、一部営業権を持つ「折衷型」
前回紹介したファイターズは「②の賃貸型」だったわけである。他の球団をタイプ別に見てみよう。

① 球団経営が安定化する「自前型」


クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

下記にあげた5球団の本拠地は「自前球場」だ。
■阪神タイガース(阪神甲子園球場)、
■オリックスバファローズ(京セラドーム大阪)
■福岡ソフトバンクホークス(福岡ヤフオク!ドーム)
■西武ライオンズ(メットライフドーム)
■中日ドラゴンズ(ナゴヤドーム)

阪神甲子園球場はタイガースの親会社の阪神電鉄、メットライフドームは西武ライオンズの親会社の西武鉄道が所有している。球団・球場の一体経営が行われており、入場料収入、売店、広告料など、すべてが親会社に入る仕組みになっている。

福岡ソフトバンクホークスは、かつて年間50億円ともいわれた球場使用料を福岡ドームに支払っていたが、2012年に870億円でドーム球場を買収。現在の所有者はホークス球団となり「完全自前球場」になっている。

京セラドームはオリックスバファローズのグループ企業、ナゴヤドームも中日ドラゴンズの親会社の中日新聞社のグループ企業が所有している。厳密には球団の自前とはいえないが、グループ内の金銭の行き来であることを考慮すれば、「自前」に分類できるだろう。

次のページ② 高額な使用料や使用制限がある「賃貸型」

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