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「騙し絵」と「ビジョン」の不思議な関係

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
伊藤 達夫/経営戦略
4.1
4,966
2008年5月5日 18:30

戦略策定に際して、外部環境を客観的に分析することは非常に重要です。でも、客観なんて本当にあるんでしょうか?私は、外部環境分析のお話しをする時には、必ず騙し絵とビジョンの不思議な関係について説明します。

「老婆と貴婦人」と言われる騙し絵をご存知ですか?
絵は↓ですね。



小学校や中学校の教科書によく出てくるので、見たことがある人は非常に多いのではないかと思います。

この絵は、老婆だと思ってみると、老婆に見えます。そして、貴婦人だと思って見ると、貴婦人に見えます。

でも、同時には見えないですね。

老婆に見えるときに目の部分は、貴婦人に見えるときは耳に見えます。老婆の口に見える部分は、貴婦人の首に見えるんですね。

どんな全体か?によって、各部分の意味合いは変わってくるんです。

こういう部分と全体の関係性のことを「ゲシュタルト」と言います。初耳でしょうか?セラピー、心理学、科学哲学の世界では有名な言葉です。そして、経営学の世界でも、必須の概念だと私は思っています。

全体は、要素と、ある意味で恣意的な要素間の関係性によって、成り立っている。

そして、その関係性は、恣意的に変わる。昔の言葉で言うと「あばたもエクボ」でしょうか?

その相手を好きだと思ってみれば、「あばた」という吹き出物も、エクボに見えたりする。

全ては全体観と、関係性の中で成立するものなんですね。

そんなの当たり前だ、と思いますか?

でも、意外とビジネスでこのことを理解するのは、難しいのです。

例えば、コンサルティングサイドの人間が、シンクタンクを揶揄して言うのが、「シンクタンクの報告書には主語がない」という言葉です。

今期の売上は10%増、営業利益は5%増である。

というふうに書いてあったとして、その事象の意味合いは?という問いに答えていないというものです。

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シリーズ: ストラテジー


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