フライドチキンに唐揚げ、コロッケやフランクフルトなど、コンビニのレジ横に並ぶホットスナック。その隣には、アツアツのおでんや中華まん、本格派のコーヒーも……。会計中に目にすると食欲がそそられて、つい買ってしまうという人も多いだろう。 そんなコンビニのレジ横で、今年は新たなブームが巻き起こるかもしれない。業界大手のファミリーマートは今年(2018年)5月から、レジ横で出来たてのハンバーガー「ファミバーガー」を試験販売すると発表。すでにネット上では「ありそうでなかった、これは斬新! 食べてみたい!」と、ちょっとした話題になっているようだ。一見、何の変哲もなさそうなコンビニバーガーの「何が・どう」新しいのだろうか……?
「レジ横フード」を使って自分で作る出来たてハンバーガー
この5月から、ファミリーマートが首都圏の約50店舗でテスト販売する「ファミバーガー」。これは、レジ横のホットスナックを具材に使って、客が自分で仕上げるセルフ式のハンバーガーだ。レジで注文すると、店員が冷凍のパンを電子レンジで温め、レジ横の具材と専用ソースを添えて提供。あとは客自身がパンに具材をはさみ、専用ソースをかけて完成させる。つまり、ホカホカの出来たてバーガーが自分で手軽に作れるというわけだ。
ファミバーガーのラインナップは、ファミチキ(骨なしフライドチキン)をはさんだ「ファミチキバーガー(260円)」、牛肉コロッケの「ファミコロバーガー(160円)」、白身魚の「フィッシュフライバーガー(230円)」の3種類(価格は予定・税込み)。ソースは甘辛いチャイニーズソースとマヨネーズを合わせた「中華マヨ風」で、パンはファミバーガー用に新しく開発したという。ファミリーマートによると、今回のテスト販売でアイテム別の売れ行きや店舗でのオペレーションなどを検証し、全国販売に踏み切るかどうか判断するそうだ。
店舗にも客にもメリット大のファミバーガー戦略
新バーガー投入にあたってファミリーマートでは、賞味期限の長い冷凍パンを使って廃棄ロスを減らし、レジ横フードと組み合わせることで客単価を上げられると見込んでいる。また、セルフ方式を採用することで店員の負担を減らし、店舗のオペレーションコストを抑えられるのも大きなメリットという。
一方でライバルのローソンも、レジ横の「Lチキ(骨なしフライドチキン)」をはさんで食べるパン「Lチキバンズ」を2009年から販売しているが、どちらかというと提案型のサイド商品で、その存在や活用法を知らない人も多いようだ。また、Lチキバンズは常温販売のため、ホカホカの「出来たて感」や廃棄ロスの低減という点では、冷凍パンを採用したファミバーガーが優位といえるだろう。ファミリーマートでは「出来たての美味しさを、専門店よりも安価に提供できる」と自信を見せており、レジ横の人気商品として定着させたいと意気込んでいる。
ドーナツの次を狙ってハンバーガー市場に勝機をかける!
コーヒーマシンが置かれたレジ横にどんな商品を並べるかは、コンビニの売り上げを左右する大きなカギとなっている。定番人気のコーヒーとの相性を考え、数年前にはコンビニ各社でドーナツ販売に力を入れたが、いまやすっかり下火となってしまったのは皆さんもご存じの通り……。
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