働き方改革はどうあるべきか

画像: akizouさん

2018.05.01

経営・マネジメント

働き方改革はどうあるべきか

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

最近の論調を見ていますと「働き方改革」の目的が残業時間や労働時間の短縮になっている気がしてなりません。言うまでもなく、残業時間や労働時間の短縮は「働き方改革」の目的ではなく手段の一つにすぎないのです。

昨今政府も積極的に推進しているのが「働き方改革」です。電通社員の過労自殺事件が大きな社会問題になったこともあり、長時間労働の是正に向けた機運が一層高まっています。

しかし最近の論調を見ていますと「働き方改革」の目的が残業時間や労働時間の短縮になっている気がしてなりません。言うまでもなく、残業時間や労働時間の短縮は「働き方改革」の目的ではなく手段の一つにすぎないのです。

目的は限られた時間で、より効果的なアウトプットを出すことで、会社としてもメリットがあり、個人としてもその仕事を通じて満足感を得る、ということでしょう。

そう考えると単に時間を短くすればよいわけではなく、時間が短くてもストレスが溜まる仕事のやり方はあるわけですし、長くてもストレスが溜まらない仕事のやり方もある訳です。
一方で時間が短くてもストレスが溜まる仕事は多くの場合その対価は高くなります。その逆にストレスが溜まらない仕事は誰もがやりたがるわけですから対価は低くなるでしょう。そのどちらを選ぶかは基本個人の選択(だけではないですが)となります。この「選択ができる」というのが重要なのです。

私は最近の働き方改革には対価の考え方が全く入っていなくて何でもかんでも「単に時間を短くすればいいや」的な発想になっていることが短絡的だと考えます。

そもそも効率が高い人はぎりぎりの緊張感の中スケジュールとストレスに追いまくられながらも、アウトプットを出し続けていて、その結果できる人に仕事が集まってきます。そういう限界に近い人たちに「時間を短くしなさい」ということはアウトプットの質を低下させるか、ストレスを余計に溜めることにつながり、それこそ病気になってしまい、皆が不幸になるリスクもあるでしょう。私はこういう人の対価はもっと高めることが経済合理性もあり、その人も「働き甲斐があった」となると考えます。

労働にかかる変数を究極に単純化すると労働時間、求められる成果、難易度(仕事することによるストレスや仕事から得られる達成感なども含む)と(期待も含む)対価の4つになるでしょう。それぞれの人たちがこの4つの変数を自分で選択できることが「働き方改革」なのではないでしょうか。

例えばベンチャー企業の経営者や社員は毎日長時間働いていますし、仕事から受けるストレスなどもとても高いですが、「働き方改革」が必要だ、とかこういう社員がノイローゼになった、という話はあまり聞きません。
こういう「働き方」があたり前なのではなく、将来も含む対価が高く、ストレスだけでなく「やりがい」や「達成感」も大きいこと、またそれを自ら選択しているから長時間労働でも耐えられるのです。こういう人たちには「働き方改革」は必要ありません。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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