どのように事業を展開し、軌道に乗せていくか――。創業間もない会社にとって、これより大切なことはないと言っても過言ではない。法人携帯や複合機の販売をはじめ、さまざまな分野で企業のコスト削減をサポートする株式会社グラシアスは、まさに創業期を乗り越え、次のフェーズに移ろうとしている企業だ。 2018年3月で6期目を迎えた同社は、これまでどんな道のりを歩んできたのか。設立者であり、現在代表取締役をつとめる松本崇氏に聞いてみた。 (聞き手・仙石実・公認会計士、税理士/構成・株式会社Tokyo Edit 大住奈保子)
部下からの誘いで独立を即決
(仙石)本日はありがとうございます。まずはグラシアスの現在の事業内容について、お聞かせいただけますでしょうか。
(松本)グラシアスでは法人携帯や複合機の販売やLED照明、新電力の導入サポートをはじめ、さまざまな分野で企業様のコスト削減のお手伝いをしております。今期からは福利厚生事業も展開しており、全部で17商材を取り扱っています。
コスト削減の方法としては、大口のお客様を対象にすることでボリュームディスカウントを適用しています。法人用携帯ならショップで契約した場合の4分の1、複合機ならカウンター料金(1枚を印刷するための料金)を6分の1まで下げてご提案しております。同業他社でも、ここまで料金を下げられる会社は少ないのではないかと思います。
(仙石)それはお客様としてはうれしいですね。現在17もの商材を展開されているとのことですが、この商材は創業当初からあったのでしょうか。
(松本)会社員時代は法人携帯の販売をしておりましたので、当初はその事業だけでした。その他の事業は、お客様のニーズから広がっていった感じです。
たとえば防犯カメラの販売事業は、運送会社のお客様からの「トラックが盗まれるので、防犯カメラをつけてほしい」というご要望からはじまりました。エアコンの販売も、法人携帯を契約してくださったお客様がエアコンの故障でお困りだと聞いて、卸先を探したことがはじまりです。
ほかにも、お客様の会社で扱っておられる商材を「うちでも販売させてください」とご提案したことから、取り扱いがはじまった例もあります。先にお伝えした福利厚生のサービスなんかは、そうでしたね。
業務外であっても、お客様が困っていることなら解決したい。こういう姿勢で営業に取り組んできたことが、今の事業形態につながったのかもしれません。
(仙石)そうだったのですね。グラシアス設立前は法人携帯の販売をされていたとのことですが、その頃のことを詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
(松本)グラシアス設立前には、東京にある法人向けの携帯電話販売の会社に勤務しておりました。その後名古屋に転勤して2年、大阪で仕事をしたこともありました。
1人で仕事を回せるようになってきたなと実感したのは、名古屋勤務時代からです。大阪勤務時代には組織論や経営についても、考えられるようになっていました。この頃には最大で120人の部下を抱えたこともあり、数字的にも結果を残せるようになっていましたね。
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