イノベーション成功・不成功の分かれ道

2008.02.18

経営・マネジメント

イノベーション成功・不成功の分かれ道

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

次世代DVDの規格争いは、 ブルーレイ・ディスクの圧勝で 幕を閉じようとしていますね。 次世代DVDは、 現行のDVDよりも記録容量が大きいのが特徴。

しかし、残念ながら大手企業のトップで、
この開発者の暗黙知を理解・共感できるところは
ありませんでした。

NTTでは、セレン化亜鉛、窒化ガリウムの両方を
使った研究が進められていたそうです。

しかし、研究開発予算の見直しに当たって、
理論的には開発可能性が高い「セレン化亜鉛」を
採用するのが妥当という判断になり、
「窒化ガリウム」による開発は中断されました。

従来のパラダイムを破壊するようなイノベーションの場合、
これまで存在していなかった

「新たな知」

がベースになっています。

ところが、新しい知の理論化・体系化には時間がかかるため、
最初はうまく説明できないことが多いものです。
あくまで、研究者、開発者の暗黙知に止まっています。

この段階で開発にGOが出せるか出せないかは
開発者の暗黙知を経営者が理解、
あるいは理解できないまでも共感できるかどうかに
かかっています。

業界構造を変えるような大きなイノベーションの
成功・不成功の分かれ道がここにあるのですね。

*参考文献

『イノベーション 破壊と共鳴』
(山口栄一著、NTT出版)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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