加速するステークホルダー重視型CSR

2007.04.23

経営・マネジメント

加速するステークホルダー重視型CSR

戸井 雄一朗
クイックウィンズ株式会社 代表取締役

最近のCSR活動では「ステークホルダー」との関係強化という視点が重要視されています。 それを象徴するCSR関連での大きな動きを2つここでは取り上げます。 *******************以下本文*******************

キャノンに見る報告書事例


具体的にGRIガイドラインを参考にしたレポートの例を見てみましょう。サンプルは日本経済新聞社の「優れた会社ランク」で常に上位につけ、日本IR協議会による「IR優良企業大賞」の実績を持つキャノンです。
キャノンは主にGRIガイドライン2002年版を参考にしたキャノンサステナビリティ報告書2006を作成しています。
キャノンの報告書とGRIガイドライン項目のマッピング表が→こちら。「ステークホルダーの参画」という項目があり、Stakeholder Engagementの概念が取り込まれています。更にキャノンではステークホルダーとの直接的な対話や評価プロセスを通じた、CSR活動のモニタリングの仕組みを実施しています。まさに最近のステークホルダー重視型CSR報告の参考となるのではないのではと思います。
また、キャノンの第三者意見書の取り方がちょっと変わっています。当然ステークホルダーを意識した場合には、第三者による内容の保証/評価が大きな意味を持ちます。SRIファンドの格付け機関はその最も分かりやすい例でしょう。

一般的な第三者評価は例えば富士写真フィルムに見られるような例です。監査法人系意見書です→こちら

一方キャノンは報告書の第三者保証プロセスそのものを英国のサステナビリティ社という会社と提携/委託し、外部の独立したコメンテーターに意見を求めるという形をとっています(コメンテーターはサステナビリティ社の社員ではありません。→ こちら
こうしたサステナビリティ社のようなポジショニングを取るコンサルティング会社が増えていくかもしれませんね。

ちなみに、富士写真フィルムもキャノンも意見書の評価基準はAA1000と呼ばれる英国の非営利団体アカウンタビリティ社が開発した、ステークホルダーへの説明責任を果たすための規格標準を採用していますが、そのやり方が大きく異なるのは興味深いですね。

続きは次回に

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