鏡の向こう側の視点

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2016.08.12

経営・マネジメント

鏡の向こう側の視点

野町 直弘
調達購買コンサルタント

何事も逆の立場でモノを考える、捉える、検討する、経験する、ということはとても重要なことです。それによって真実が見えてくるからです。

自分の経験話とか、あまり書いたことがないのですが、夏休みの方も多いと思いますので。お気軽に読んでください。

私の社会人生活のスタートはある自動車会社の原価管理部というところでした。
原価管理部には大きく分けて原価企画チームと総合原価管理(予実管理)チームの2つのチームがあり、私は原価企画チームに属していました。

原価企画チームは新製品の原価企画だけでなく様々な車の営業見積(お客様に提出する見積書の作成)をやっているチームです。自動車会社では手間の問題もあり、全ての車種について原価企画を推進しているわけではありません。しかし、当然ながら量産後に立ち上がった派生車や様々な要因から出てくる仕様変更、設計変更による新規車種の見積りなど日々新車の営業見積をする必要性があります。最終的には販売価格は営業や企画部門が決定しますが、その元となる原価見積りを専門にやっているのが原価企画チームの一つの役割になっているのです。

基本的に原価企画チームに配属された新人は、まずは派生車種や日々の営業見積業務を担当しながら、原価や管理会計について学び、同時に新製品原価企画の担当をします。
一方で総合原価管理チームは主に工場原価の予実管理と日々の合理化推進を担当するチームです。

ですから総合原価管理チームは主に工場や生産管理部門とのやり取りが多くなります。一方で私が配属された原価企画チームは営業とその先にいる顧客の購買部門、それから自社の購買部門とのやり取りが多いのです。(もちろん営業見積や原価企画をやっているので開発部門や工場とのやり取りもありますが。。)

ですから私の社会人初めての仕事は購買部門とのコンタクトがとても多かった。ここでは色々なことを学びました。なかでも顧客の購買部門の方とのコンタクトは衝撃的なものだったと覚えています。いきなり電話がかかってきて見積の内容について確認させて欲しいと、マシンガントークが始まるのが常日頃です。私も新人であり、ミスもしましたがミスがあると顧客の購買部門の方から、直接人格を否定される位のことを言われたました。

一方自社の購買部門もなかなか言うことを聞いてくれません。営業見積を行うためには部品の見積りがないとできないのです。ですから購買部門に見積依頼をします。購買から期限通りに見積りが出てくることは稀でした。また出てきた見積りもサプライヤから提出されたそのもので何のチェックもしていない、というのが日常です。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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