キーエンスはなぜ飛び抜けた高収益企業なのか?第一回

画像: Seven Atoms

2008.01.22

開発秘話

キーエンスはなぜ飛び抜けた高収益企業なのか?第一回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

営業利益率50%強、日本の製造業ではダントツの高収益を誇るキーエンス。同社はまた、30歳代で1300万超のスーパー年収でも知られる。謎に包まれた実態に迫るため同社から話を聞いた。

第一回
「高収益を産み出す原動力」

「高収益を生み出す原動力は極論すれば二つ、企画・開発力とコンサルティング営業力に尽きるでしょう(キーエンス経営情報部)」。

■企画・開発に関するラディカリズム
同社の企画・開発力がいかに圧倒的かは、新商品の約70%が世界初もしくは業界初であることからわかる。これがどれだけとんでもない数字であるか、メーカーに勤めておられる方ならすぐにわかるだろう。あるいは次のように表現した方がキーエンスの特異さがより際立つかもしれない。すなわち「新商品の7割が世界初、少なくとも業界初であるようなメーカーがキーエンス以外にあるだろうか?」と。

もちろんこれまでに世界初の商品を開発したメーカーは何社もある。しかし、そうしたメーカーはその商品を柱として事業を営むことが多い。ところがキーエンスは違う。扱っている商品ジャンルは10種類以上あり、商品アイテム数はおそらく数百に上る。その新商品のうちの「7割」である。このようなメーカーはおそらく世界のどこを探しても存在しないだろう。

このケタ外れともいえる企画・開発力を支えているのが、キーエンス独特の企画マインドと人材だ。

まず根幹となるのが極めてユニークな企画マインドである。同社は顧客の話を徹底して聴くことで知られているが、意外にも商品企画で顧客ニーズにストレートに応えることはまずない。「今のところどこのメーカーも作っていないからなんとかして欲しい」といった顧客の要望をもとに商品開発を行なうことはないわけだ。その意味では顧客ニーズに応えないメーカーといってもよい。

しかし、この頑固なまでのポリシーこそが実は世界/業界初を連発する秘訣である。

「顧客サイドですでに顕在化しているニーズに対応していては競合との差別化は難しい」と考えるのがキーエンス流なのだ。顧客が具体的なソリューションを求めているということは、すでに問題そのものが顕在化していることを意味する。迅速に対応すれば業界初ぐらいの商品開発にはつながるかもしれないが、競合他社もすぐに追随してくる可能性が高い。それではダメなのだ。

キーエンスが狙うのはあくまで、顧客サイドでもまだ顕在化していない問題を解消する商品開発である。言うまでもなくそうした商品開発の難易度は極めて高い。従って企画・開発に携わる人材に求められる能力もそれ相応のものとなる。この能力に関して同社では「適性・センスが重要」と考えており、経験を積めばキャリアアップ可能な営業職とは明らかに一線を引いている。

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