「中年フリーターの増加」を抑制することはできるのか?

2015.08.24

組織・人材

「中年フリーターの増加」を抑制することはできるのか?

川崎 隆夫
株式会社デュアルイノベーション 代表取締役

35歳以上の「中年フリーター」の増加に歯止めがかからず、現在では270万人以上に上っているとのことです。 この「中年フリーター」を正社員化するために様々な施策が実施されていますが、果たして実効性はあるのでしょうか?

「スペシャリスト」に属する人材の場合は、現在携わっている業務に関する知識やスキルは一定以上のレベルにあるものの、自分の担当業務以外に関心を持たなかったり、「コア業務」を遂行する上で必要とされるリーダーシップやマネジメントに欠ける面があるなど、業務意欲や資質面でバランスを欠く人材が該当します。

「スペシャリスト」人材には、主に職人肌の人や「オタク系」の人が多いと予想されますので、キャリアカウンセリングなどにより職業観などの「歪み」を是正し、正社員になることへのモチベーションを喚起すると同時に、マネジメントやリーダーシップを習得できる機会を提供することで、「ハイパフォーマー」への転身を促します。

仕事への意欲もスキルも低い「ロウパフォーマー」に属する人材についての対策は、極めて困難です。このゾーンに属する人は、労働意欲そのものが低い場合が多いので、まずは「非正規」で働き続けることができるための就業機会を提供していくことが、現実的な対策となるでしょう。

このように、政府が本気で「中年フリーター問題」に取り組むのであれば、まずは対象者を各ゾーンに分類し、それぞれのゾーンに適したきめ細かな支援を行っていくことが求められます。 このような支援が為されて初めて、中年フリーターの正社員化が進展していくのだろうと思います。

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川崎 隆夫

川崎 隆夫

株式会社デュアルイノベーション 代表取締役

経営コンサルタントの川崎隆夫です。私は約30年にわたり、上場企業から中小・ベンチャー企業まで、100社を超える企業の広告・マーケティング関連の企画立案、実行支援や、新規事業、経営革新等に関する戦略計画の立案、企業研修プログラムの策定や指導などに携わってきました。その経験を活かし、表面的な説明に留まらず、物事の背景にある真実が浮かび上がってくるような、実のある記事を執筆していきたいと思います。

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