シリーズ「営業フォーメーション変革」⑥ シナリオ型営業その1

画像: US Department of Education

2014.05.14

営業・マーケティング

シリーズ「営業フォーメーション変革」⑥ シナリオ型営業その1

渡部 弘毅
ワクコンサルティング株式会社 ディレクターコンサルタント

今回と次回の投稿では、生産性向上につながるセールス手法である『シナリオ型営業』に関して解説します。

本シナリオパターンは、パターンとしては馴染みやすく短期的な売上貢献も期待できるため、実行しやすいパターンですが、これだけでは本来目指す営業フォーメーション変革でないことを肝に命じることが需要です。シナリオパターン2以降の顧客主導型のパターンもしっかりこなして初めてフォーメーション変革が実現していると考えてください。ついつい短期的視野に立って本パターンだけの遂行に終わってしまうという落とし穴にはまらないようにしてください。

シナリオパターン2 顧客主導、大手新規企業開拓型シナリオ

シナリオパターン1が商品主導型に対してパターン2以降は顧客主導型になります。パターン1は商品を固定して、その商品を買ってくれそうなニーズのある顧客をいかに効率よく探し出して提案していくかがポイントですが、パターン2以降では顧客を固定してその顧客に対してコミュニケーションをすることになります。

その中でもパターン2は比較的大手の新規顧客に対してセールスをするパターンになります。

新規顧客のしかも大手企業からの受注は営業マンにとっては、もっとも賞賛に値する行為です。しかしながらその活動は今までの対面営業中心のモデルでは一般的にはつらく、かつ非効率的な作業でした。大手企業ですので様々な部署に対しての根気強いアプローチが必要で、そういった地味な活動の積み重ねでやっと商談の機会が生まれて、その時に最適な提案活動ができた営業マンだけが受注に至るのです。そして現実にはそういった地味な活動と最適な提案を根気強くできる営業マンは限られているのです。

新しいモデルでは、こうした地味な活動をセンター型営業で標準化したシナリオで確実に実行していくことになります。大手企業の組織を分析して、どの組織にどういう商談の機会がありそうか仮説をたてます。同じ業界で自社のユーザがいる場合はどういう部署でどんなニーズがあるかを把握してそれを会話のネタに入れます。いつの時期にはどういう会話ネタでどの部署にアプローチしていくかをプランします。当然同じ業界でアプローチすべき顧客がある場合は同じ会話ネタでアプローチし、お互いのシナジー効果を出していきます。そして会話の内容や客先の状況がある条件を満たした場合には対面営業に引き継ぎます。当然引き継ぐ条件はあらかじめ決定されており、その条件を満たした場合にのみ引き継ぐことになります。したがってセンター型営業は対面営業の単なるアポどり業務ではありません。訪問はしないがファーストアプローチからキーマン探し、顧客のニーズ把握、商談発掘作業を担当します。

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