人材育成とOJTの復活

2014.03.06

経営・マネジメント

人材育成とOJTの復活

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

『意図的・計画的・継続的』に欠けるものは本来のOJTではないのです

最近「調達・購買人材の育成」をテーマに話をする機会がありました。
7-8年前からこのテーマは調達・購買部門の主要課題として取り上げられており、
我々も現場学(明日から業務に役立つ実務的なスキル)を育成のための研修プログラムの整備、企業内での研修のお手伝い、教科書になるような本の執筆などもやってきました。

しかし、改めて考えてみても7-8年前から、人材育成が上手く行っていない、どのようなスキルが必要なのか整理されていない、どのようにスキルを身に付けるべきなのか、また研修プログラムの整備等ができていない、などの問題は今も昔も状況は殆ど変わっていないことに気がつきます。

何故でしょうか。

調達・購買の方々と接していて日頃感じることがあります。
例えば研修について。多くの方から「それは業務に役に立つプログラムですか?」と聞かれます。また「うちの会社は特殊だから自動車や電機メーカーのやり方を教えられても参考にならない」という声も聞かれます。
皆さんどう思いますか。おっしゃる通り自分がおかれている状況や求めていること、そのものずばりを教わった方がよいこともあるでしょう。しかし、大概の場合はそうではないので、教わったことを自分の業務に落として考えてみます。実はこれが大切なことなのです。
考える力や過去の経験を活かす力はこのような思考をしないと身に付きません。
最近調達・購買関連の本や勉強する機会は益々増えています。これは7-8年前からは想像もできない程の進化です。一方で未だに「社内研修のプログラムがないから」「勉強できる機会が少ないから」と言い続けている人も少なくありません。

両方に共通していることは、自分がスキルを身に付けられないことを他責にしているだけということです。「スキルは誰かに育成してもらうもの、それができない会社や環境がいけない」
こういう発想なのです。「人材育成」という言葉自体に上から目線、育成はしてもらって当然、というニュアンスを感じるのは私だけでしょうか。

このような状況は一言で言うと「意識」の欠如と言えるでしょう。しかし私は「意識」の一言で片づけてしまうのは危険だと考えます。「意識」の欠如ではなくむしろ「無関心」なのではないか、と。「無関心」な人達にどんなにスキルを教え込んでも無駄なのは容易にわかります。

それではこの「無関心」な人達に「関心」を持たせるためにどうしたら良いでしょうか。私はこの役割を果たす一つの手法がOJT(オンザジョブトレーニング)だと考えます。
昔から日本企業はOJTに頼ることで体系化されたオフJTを整備することをしてきませんでした。従来であればOJTの担い手であった課長格のうるさ型の諸先輩がいて彼らから多くのモノを得ることができました。しかし90年代後半から2000年代前半にかけて間接人員の合理化という流れの下課長クラスがプレイングマネジャー化し、OJTの担い手がいなくなってしまったのです。私はこれを「OJTの崩壊」と言っています。従来であれば計画的に行われていたOJTが機能しなくなってしまったのです。一方でOJTを復活させようという企業も増えています。しかしOJTを上手く機能させるには多くの課題があります。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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