BtoB営業における行動力格差

2013.10.13

営業・マーケティング

BtoB営業における行動力格差

小倉 正嗣
株式会社リアルコネクト 代表取締役

最近、営業コンサルタントが活動量を増やす事を絶対的な売上改善手法であると語るケースが多くなっています。その風潮に一石を投じるために書き記しました。

と、多くの営業コンサルタントが声高に主張されているようですね。私が営業マンだった頃に最も嫌っていたいわゆる「根性論」です。

しかし、現在は広義で言うと同じ営業コンサルタントという職業についていますので、一定数の数をやり続けるということの重要性はきちんと理解しています。ただし、それはある条件をつけての場合になりますが。

その条件というのは、1つ目に見込み顧客が無尽蔵と言ってよい生命保険や車などの個人向け営業の場合です。訪問すべきお客様の数が訪問しきれないくらい多い場合においては数の極大化を目指すことで売上が比例して伸びていきます。

2つ目は、これまたものすごい量が存在する商店やショップに対して消耗品や広告など、どこの組織でも使われるようなものを販売する場合です。この業界の代表的な営業活動といえばリクルート社の営業ですね。彼らは飛び込みで商店をまわり、見込み顧客の極大化を目指しています。その活動方針は間違ってはいないと思います。
こういった業態の営業は、ひたすら分母となる見込み顧客を増やすために、体力に任せて電話アポイントや飛び込み訪問をするべきなのかもしれません。質はともかく、アプローチ数を増やすことで絶対的な見込み顧客数を増やすことができるからです。

しかし、BtoBの場合は必ずターゲットとなる業界が有ります。そのターゲット業界内のターゲット顧客の数には限界があります。例えば、自動車のワイヤーハーネスを作っている会社の見込み顧客は無尽蔵に増えるでしょうか?見込み顧客の数を増やすことで売上が上がるでしょうか?大規模流通業向けのWMSのシステムを販売している会社のターゲットは無尽蔵にあるでしょうか?おそらくはある程度数に限りがあると思います。

また、BtoBの営業を行っている企業では、明確に担当者ごとに顧客を割り振っているケースが多くなっています。 限られた数の担当顧客を割り振られた営業マンに、アプローチする顧客数や訪問数を極大化しろなどという短絡的な指示やコンサルティングを行うのは愚の骨頂でしょう。

BtoBの営業活動においては、必ず数の増加と質の向上は両軸で進めなければなりません。当然決まった数のお客様の中で、足繁く通うことに価値を感じてくれるお客様もいるでしょう。したがって、一定数の訪問は担保しなければならない。とはいえ、だからといって2倍訪問したから売上が2倍になるということは少々考えにくいのですが。

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小倉 正嗣

株式会社リアルコネクト 代表取締役

【自己紹介】 BtoB営業組織改革・新規事業開発を専門とするコンサルタント。新規事業企画担当者・営業マネージャー・B2Bマーケッター・営業マン向けのセミナー/研修/ワークショップの講師・ファシリテーターを中心に営業組織改革、新規事業開発支援等のコンサルティングを行っている。 【保有資格】 中小企業診断士・経営管理修士(MBA)・日本酒利酒師

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