ソーシャルイノベーション~女性の社会進出を創造する~

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2015.07.10

経営・マネジメント

ソーシャルイノベーション~女性の社会進出を創造する~

林 衛
株式会社アイ・ティ・イノベーション 代表取締役

私は、ドラッカリアン(ドラッカー理論の信奉者で実行者)で、常々、変革について考えている。携わってきたのは主にIT分野であるが、社会構造の変化や社会における構造的ギャップをビジネスチャンスと捉え事業を行ってきた。

 なぜ、このビジネスの成功を確信するようになったのかは、妻との歴史とその反省による。

 その理由を説明しよう。

 私の妻はご多分に漏れず子育てと好きな領域でのアルバイトを併行して行い20年以上かけて子育てを終えた。妻は、2人の子供を立派に社会人に育て世に送り出した。真剣に子育てをした私の妻を褒めたいと思う。子育てを仕事として捉えるのであれば、かなり質の高い仕事をしてきたといえるし、乳飲み子を社会に出すという大きな成果を残した。この仕事により身についた実力やノウハウは、男性が社会で働いて身に付けるレベルを超えているかもしれない。妻と限らずわが社で働いてもらっている女性をみると、我慢強く子を育み自らも成長してきた女性ならではの視点や鋭さがあり、意見の多様性に大いに貢献してくれている。

 しかし、社会からみると所謂子育てという仕事は高く評価される機会は少ない。私の場合は、子育てや、妻が仕事をすることにも無関心だった。結果的に妻が子育てと家庭を守る仕事をすることになり、役割分担が必然的にできあがり進んできた。当時の私の考えは、男は仕事、女は家庭と決めつけており、妻の社会進出に全く関心もなかった。むしろ否定的な考えであった。私のような考えの中年男性は、日本には多いはずだ。いつの間にか、日本社会は、女性という潜在力、女性の可能性を見いだせずに何十年も経ってしまった。社会的損失と考えてよいだろう。男女を問わずどんな人でも、立派な成果をあげる可能性があり、困難な仕事が上手く行ったときの達成感を味わう、そんな機会が誰にでも公平に与えられなくてはならない、と考えるようになったのも最近のことだ。私は、いわば定型的な視野で長い間仕事をしてきたことを大変情けなく思うし、妻に対しても申し訳なく思っている。

 このような経験から、女性の社会進出という課題は、すぐれて自分自身の課題であるが、この課題はグローバルな課題であり、日本の社会や組織の課題でもある。私は、妻との歴史については認識をあらためたが、歴史そのものをやり直すことはできない。だから、将来がある人たちを対象に、未来に向かって、教育や成長、自己実現の機会を提供していくこの仕事を成功させることで、妻に償いたい。同時に、それは大いなる社会貢献になるのではないか、そう思っている。

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林 衛

株式会社アイ・ティ・イノベーション 代表取締役

PMの達人として著名。近年はビジネスアナリシスあるいは「人間力」をキーワードにIT業界の変革に取組んでいる。

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