東日本大震災を乗り越えて、東北から次代の企業を生むために

2013.03.13

経営・マネジメント

東日本大震災を乗り越えて、東北から次代の企業を生むために

「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire

東日本大震災が起きてから丸2年が経った。前回の「LIGHT UP NIPPON」で紹介した通り、まだまだ東北は復興の道半ばだ。その一方でいつまでも過去に囚われていてはいけないと、今まさに立ち上がろうとしているベンチャー企業が東北から次々に生まれている。 そこで今回はそんな東北発ベンチャーを支援する一般社団法人MAKOTOの支援活動や広報・PR活動について紹介する。

その一方で“志”があるからと言ってビジネスが上手くいくとは限らない。そこで“志”という起業家の最大の武器を求心力として発揮してもらいながら、MAKOTOがビジネス面で支援することで事業を軌道に乗せていこうという形で運営している。

そして現在MAKOTOが支援しているベンチャーは、全面支援という形で言えば10数社、大なり小なり関与している案件を含めると50件ほどある。その中には、被災した美容師の人たちに働く場を提供しようと、東京の大手美容室チェーンの元役員が石巻市で立ち上げたラポールヘアや、出身地である山元町の苺の産業を復活させようと奮闘している農業生産法人のGRA、いわき市の寂れてしまった飲食店街を復活させようと洒落た屋台村に作り替えて、被災した飲食業従事者に提供している47プランニングなどがある。

左上)ラポールヘア、左下)GRA、右)47プランニング

<“志”を軸にしたコミュニケーション活動>

そうした中で支援を広く呼びかけるにあたり、大きくは「MAKOTO」そのものと個々のプロジェクトの2つの軸で広報・PR活動を行っている。

「MAKOTO」については、今の時代WEBなどを通じてローカルメディアの報道もチェックできるし、また震災以降、東北のローカルメディアから全国に広がるというケースも増えてきているので、通常は地元有力紙や全国紙の仙台支局などの記者などを中心に情報提供しながら、東京でのイベントなどの際には中央紙への情報提供を行っているという。

一方個々のプロジェクトについては「チャレンジスター」という制度を設けて、まさに起業家たちの“志”を形にして発信することで、その“志”に共感し、そして支援しようという人たちを集める仕組みづくりを進めている。具体的には首都圏や仙台を中心に定期的にプレゼンテーションイベントを開催したり、オンライン上にてクラウドインキュベーションサイト「チャレンジスター」を開設したりしながら支援を呼びかけている。

なお一般的なクラウドファウンディングは資金面での支援を募るものに対して、「チャレンジスター」では資金だけではなく、ヒト・モノ・カネ・コトなど事業展開するうえで必要なさまざまな支援を全方位で呼びかけているのが大きな特徴と言えよう。

なお現在課題として考えているのは、個々のプロジェクトをもっと日本全国に知ってもらえるようにすることだそうだ。現状メディアで取り上げられるのはどうしても「MAKOTO」が中心になるが、例えば「チャレンジスター」イベントに多くのメディア関係者に来てもらい、興味を持ったり共感したりしたプロジェクトを取り上げてもらう、そんな流れをつくっていきたいと考えている。

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