若者の雇用危機 
-就活受難の本当の意味-

2012.11.09

組織・人材

若者の雇用危機  -就活受難の本当の意味-

三崎 雅明

「働けない若者の危機 就活の受難」特集記事が日経新聞で連載された。 10万人程度の若者がフリーター的な生活をしているのは異常。 マスコミでも就活についてはいろいろな視点から取り上げられる。 一方東大の古市憲寿氏著「絶望の国の幸福な若者たち」等の若者論もある。 多様な問題を抱える若者の就職難問題について整理したい。 【若者の雇用危機】①総論

採用関係の仕事に長く携わってきて、企業の中から採用を見て来たが、客観的な立場から、大卒就職問題を整理していきたい。
この問題いろんな視点から問題提起がある、年配の方からは最近の若者はという厳しい指摘、若者からは冷めた労働観、また親からは本人以上に深刻で悩ましい問題として受け止められている。

まずは現状事実関係の整理をしてみる。

【現状の事実関係の整理】


1.大学・学部卒業者が毎年55万人程度、大学進学率は50%超

2.その内約10万人が進学も仕事もしていない者(不明者も含む)

3.大卒求人倍率は平均で1.2倍程度であり、数字上は就職希望者の2割増程度 の求人はある。
 ①大企業への就職希望者が多く、中堅企業1000人以下の企業は学生を採用で きいない不足状態。
 ②「ブラック企業」等雇用条件の劣悪な会社もあり、若者の就業意識を削ぎ、労  働意欲を失わさせる
  新3Kは主に「きつい」「帰れない」「給料が安い」等の厳しい環境が主にサービ ス業を中心に、雇用数が多い産業に多い

4.大企業からは学生の質の低下を指摘する声がある
  環境変化により、バランスのいい人材より個性(人財・能力)を求める傾向にな り、国際競争の中で国際的に活躍できる能力もより要求されるようになってきた

5.経団連は倫理憲章で12月から広報活動開始、4月以降選考と決めている
  従って、学生は実質4か月の就職活動後、選考過程へと入る
  *就職をする前の3年生の12月から活動開始

6.4月以降大企業での就職活動がうまくいかなかった学生が中堅企業へと志望 先を変え、じょじょに中堅企業に雇用されていくことになる。
  
  その結果55万人の大学学部卒業者の内訳は
   大学院へ           7万人
   就職者            34万人 
  一時的な仕事についた者   2万人 
  進学も就職もしていない者 10万人 *不明者を含む
      
  とうい結果になっている。
  *平成23年度学校基本調査(確定値)の文部科学省公表
  

【結果的には】


大企業(有名企業)に学生の応募が集中し、また選考の厳しさから狭き門になっている。しかも多数の大企業にチャレンジする機会があるため、学生の就職活動が結果的に無駄になり、自分に合った会社を見つける機会を失っている。
 一方中堅企業へは情報不足と処遇条件の不安定さなどから学生は応募に二の足を踏む。
 現在の大学の就職支援セクションや国が支援しているのはこので中堅企業への就職誘導である。
 そして就職活動がうまくいかずにこの10万人はニートかニート予備軍になっていくという構造だ。

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