消費者行動の「記述モデル」と「戦略モデル」

2012.08.24

営業・マーケティング

消費者行動の「記述モデル」と「戦略モデル」

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

消費者行動のモデルには、「こうなっている」と説明する「記述モデル」と、「こうする、こうあるべき」という働きかけを説明する「戦略モデル」があります。

記述モデルはあくまで現象をある形で切り取っただけにすぎないものだからです。

一方、

「戦略モデル(Strategic Model)」

は、マーケティング戦略・施策を通じて

「消費者の心理・行動をこうする・こうするべき」

という「働きかけ」を説明するモデル。

例えば、「AISAS」であれば以下のようになるでしょう。

------------------------------

A:Attention(注意) →注意を向けてもらう
I:Interest(関心)  →関心を持ってもらう
S:Search(検索)   →検索してもらう
A:Action(行動)   →行動(資料請求や購買)をしてもらう
S:Share(共有)    →共有してもらう

------------------------------

いかがでしょうか?

戦略モデルにおいては、こうした「動詞的な表現」をすることによって、

「どんなマーケティング戦略・施策を展開すべきか?」

についてのアイディアが出やすくなるのではないでしょうか?

なお、私は、戦略モデルの説明において大事なのは、

「○○してもらう」

という「相手(消費者)寄りのソフトな表現」にすることではないかと思っています。

というのも、企業寄りの押し付けがましい表現、例えば

・注意を向けさせる
・関心を喚起する
・検索させる

といった表現にしてしまうと、企業本位のひとりよがりなアイディアしかでてこなる可能性があるからです。

マーケターは、消費者の心理や行動を強制的に変えさせることはできません。あくまで、消費者自身が

「その気」

になってもらえるように仕掛ける必要がある。そのためにも、消費者寄りの表現が望ましいと思うのです。

マーケティング戦略・施策を策定するための消費者心理・行動の

「戦略モデル」

を考える際にはぜひ気をつけてください!

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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