これが売れる!ノンアルコールビール

2012.08.06

営業・マーケティング

これが売れる!ノンアルコールビール

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

ノンアルコールビールが売れている。ロング缶はもとより、遂には黒ビールタイプも登場した。が、ポジショニングの軸を変えると、もっと大化けする可能性があるのではないか。

そして筆者がもっともよく飲むのは、実はこのドライゼロである。アサヒの製品開発担当者が、どんなコンセプトでこの製品作りに取り組んだのかはわからない。けれども原料をあえてビール系以外に求めた割り切りが、逆に一番「飲める」ノンアルコールビールを生んだように思う。

ポジショニングの軸を変えると見えてくるチャンス

おそらくはビール系の材料を使って、ビールに近づけようとすればするほど、うそ臭さが気になるのではないだろうか。これに対してビールに近づけるのではなく、いっそのことまったく新しい飲み物として開発された(のかな?)からこそ、ドライゼロは飲みやすいドリンクとなった。

けれども、各社ともに欠けている視点があると思う。つい最近始まったサッポロ・プレミアムアルコールフリーのCMもそうだが、アピールしているのは、昼間飲めたり、車を運転しても大丈夫だったり、スポーツのときに飲めたりすることだ。要するに、従来なら『飲んではいけない』ときに飲める代用品として、ノンアルコールビールは訴求されている。

ここで提案したいのが、ポジショニングの軸を変えること。『食事を楽しむ/美味しくする』ポジションを導入すればどうだろうか。もちろん、このポジションは、既存の本物のビールとのカニバリゼーションを起こす。だから避けているのだろうが、だからこそ、このポジションを狙って、ビールもどきではないドリンクをきっちり商品開発して出すところが、独り勝ちするような気がする。

マーケティングのキモはSTPにあり、STPの中核となるのはポジショニングである。ポジショニングはCMを見ると、よくわかる。

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