「成果主義」の時代を生きるために

2012.06.28

仕事術

「成果主義」の時代を生きるために

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

ますます短期的な成果が求められるビジネス現場にあって、「結果を出すこと」と「プロセスをつくること」のどちらが大事か?───は、とても悩ましげな問題です。このテーマを深く考えることは、結局、「働くとは何か?」「仕事の幸福とは何か?」につながっていきます。

 私が行っている企業内研修のサービスの中で、『キャリアMQ』という診断ツールがあります。これは個々の従業員の働くマインドや価値観がどんな傾向性を帯びているかを、65の設問に答える形で判定するものです。そこに次のような問いがあります。さて、AとBにつき、あなたはどちらの考え方に近いでしょうか───?

  A;
  「多少の無理や違和感があっても、
  組織と合意して決めた業務目標をクリアするところに
  働き手の成長がある」。

  B;
  「仕事はやりがいや納得感を最優先に設計されれば、
  結果は後から付いてくるものだ。
  無理な目標設定はかえって働き手のモチベーションを下げてしまう」。

 ……Aは「形ある成果を出すこと」を上位に考え(=結果重視)、Bは「きちんとプロセス(過程)を整えること」を上位に考えるもの(=プロセス重視)といえます。
 例えば、あなたがいま、いつも厳しい数値目標達成に走らされる部下であれば、「私は断然、Bです」と答えるでしょう。しかし、もし自分が経営危機に陥っているベンチャー企業の社長だったらどうでしょう。そのとき「私はBです」だなんて悠長なことを言っていられるでしょうか。

 で、実際のところ、このAとBの回答割合はどうなっているのか。私の顧客企業からデータを取って算出してみました(拙著『プロセスにこそ価値がある』メディアファクトリー新書より)。

 図にまとめたとおり、一般社員では人数のうえで、ほぼ7割(68%)が「プロセス重視」です。中間管理職はどうでしょう。状況は逆転して「結果重視」(52%)に振れています。これは経営側に寄っていけばいくほど、結果=利益を出さなければ、会社が回っていかないことの責任意識が強くなるためでしょう。あるいは、若い者をヘタに甘やかしてはだめだ、試練をもって成長させなければならない、といった年配者独自の考え方があるのかもしれません。

 しかしここで注目すべきは、結果重視とはいえ、中間管理職のなかで「プロセス重視」とする人数の割合は48%であり、半数に近いのです。これはおそらく、彼らもまた組織のなかでは上司を持つ身であり、「結果を出せ」のプレッシャー下にある身だからかもしれません。

 「結果とプロセス」のどちらが大事か?───は、とても悩ましげな問題です。「結果もプロセスもどちらも大事」と言ってしまうことは簡単ですが、それだけで済ませてしまうと思考や意識が発展していきません。このテーマを深く考えることは、結局、「働くとは何か?」「仕事の幸福とは何か?」につながっていくからです。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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