人が育たないんですorz

2012.04.25

組織・人材

人が育たないんですorz

野崎 吉弘
株式会社 アイ・ティ・イノベーション シニアコンサルタント

「人が育たない」というのは、突然発生した問題ではなくこれまでのマネジメントの結果と捕らえるべきで、組織のマネジャーは自己に矢印を向けるべきです。 我々が本当に育てたいのは、自ら学び成長していく人間であり、制度や仕組だけでは人は育ちません。どうすれば人が育つのかという問に正解はありませんが、マネジャ自身が考え実行し、今よりもっと部下や後輩の育成のために時間を使うことが本質的に重要です。

制度や仕組で人間は育たない


中長期の目標から数年後の組織に必要なスキル毎の人員構成を描き、スキル診断や360度評価を実施、組織のキャリアパスを用意し、目標と現状の人員構成のギャップから教育計画を立案、教育プログラムを用意し、人材育成のPDCAのサイクルをきちんとまわしてさえいれば自動的に人が育つと考えるマネジャーは、立派な筆や上等の絵の具を用意すれば優れた芸術作品を生み出せると考えている画家のようなものです。画材にいくらお金をかけたところで優れた絵画は描けないように、制度や仕組をいくら整備したところで優れた人間を育てることはできないのです。

我々が本当に求めているのは、組織が用意したキャリアパスや教育プログラムなんか無くっても、自ら道を切り開き成長しやがては我々マネジャーを超えていく、そんな人間ではないでしょうか?
もしそうでなければ、組織は世代交代とともに衰退していくしかありませんし、今現実に衰退は始まっているのかもしれません。

マネジャー自身が考え実行する


残念ながら、「そのような人間を育てるには何をしたら良いのか?」という問に正解はありませんが、一つ言えることは部下や後輩の育成のために今よりもっと時間を使うということです。自らが部下や後輩の成長のために必要なことは何かを考えそれを実行する。そのために時間を使うのです。
その時はじめて制度や仕組が、画家の筆や絵具のように、育成の道具として役立つでしょう。

少し古い記事ですし有名な会社ですのでご存知の方も多いと思いますが、48年間増収増益の実績を持つ伊那食品工業の塚越寛会長は、「社員の幸せを通して社会に貢献すること」を経営理念に社員の幸せを露骨に追求してきたそうです。社員の給与や福利厚生に対する考え方もさることながら、この記事の中で私の目に止まったのは、

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塚越会長が「かんてんぱぱガーデン」を作り始めたのは1987年のことだった。「職場を緑溢れる環境にすれば、社員が幸せに感じるのではないか」「緑豊かな公園を作れば、美しい街並みにつながるのではないか」。そう考えたためだ。

日経ビジネスオンライン「社員の幸せを露骨に追求する会社」より
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野崎 吉弘

株式会社 アイ・ティ・イノベーション シニアコンサルタント

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