「味集中システム」とは?

2007.11.09

ライフ・ソーシャル

「味集中システム」とは?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

博多発祥、とんこつラーメンの 「一蘭」 はご存知でしょうか? 首都圏には10店舗ほど展開してますが、 まだ知る人ぞ知るという存在でしょう。

私は、事務所に近い、
東京ドームシティ・ラクーア店にたまに行きます。

先日も午後4時ごろ、
仕事のついでに立ち寄りましたが、
店内は満席でした。

おおむねどの時間帯にいっても混んでます。

さて、わたしが「一蘭」をご紹介するのは、
店舗の構造や仕組みが極めてユニークだからです。

こだわりかたが、半端ではありません。

おそらく、創業者はよほどの変人、
いや天才かなと・・・

このユニークな仕組みは、

「味集中システム」

と命名され、特許出願済みです。
(出願番号:特願2003-289989)

席はすべてカウンターのみ。

1席づつ、両脇がパーティション(仕切り壁)で
仕切られているブーススタイルです。

また、正面は、赤いのれんで半分隠されているため、
店員の顔は見えません。彼らの前掛けのおなか部分が
かろうじて見えるだけです。

入り口の自販機で食券を買い、店内に入ったら、
席の埋まり具合を教えてくれる表示板を見ます。

「空」の表示があれば、そのブースに行き、
紙のオーダーシートにスープの味や麺の硬さを記入。
呼釦を押して店員を呼びます。

そして正面に30センチほど開いたすきまから、
顔の見えない店員に、食券とオーダーシートを渡す。

およそ1-2分でラーメンが出てくると、
前のわずかなすきまにも「すだれ」が下ろされ、
ほぼ完全に自分だけの空間になります。

おかげで、食べている間はひたすら

「味」

に集中できるというわけです。

替え玉の注文は、箸袋が追加注文シートを
兼ねているのでそれに記入して呼釦を押せばOK。

誰が追加注文したかは、ほかの客にはわかりません。

ですから、女性の方でも気兼ねなく、
何玉でもおかわりできますよ!

というわけで、確かに「味集中システム」は、
「味」に集中できるようにと、あらゆる工夫が施された

「完成されたシステム」

です。

しかし、ラーメンを食べている自分が、まるで

「食欲マシーン」

になったような気分になることがあります・・・

店頭には、混雑時でも、

「40秒にお一人の割合で、
 ご案内できるようになっています」

といった表示があります。

つまり、「客」自身もこのシステムの一部となり、
流れ作業的にラーメンが作られ、供され、食されている
というわけです。実に効率的なシステム。

また、前述したように、
ブーススタイルのカウンターしかありませんので、
家族だろうがカップルだろうが、それぞれ別のブースに
分かれて入ることになります。

したがって、
店内ではほとんど会話する気が起きません。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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