もしも、今度の「変わり種ペプシ」が美味しかったら・・・

2011.07.06

営業・マーケティング

もしも、今度の「変わり種ペプシ」が美味しかったら・・・

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 毎年2回恒例、「ちょっと変な味」で話題を集め続けている「変わり種ペプシ」が今年も発売される。しかし、昨年あたりから様子が変わってきた。妙に美味しいのだ。それはいったい、何を表しているのだろうか。

 今年の「変わり種ペプシ」は「ペプシ カリビアンゴールド」。7月26日(火)から全国で季節限定の発売だ。サントリーのニュースリリースによると<カリブ海沿岸や中南米に生育する果実「ホワイトサポテ」のフレーバーを採用した、爽やかな味わいのコーラです>とある。
 http://www.suntory.co.jp/news/2011/11100.html

「ホワイトサポテ」とはまたなじみがない果実だが、<亜熱帯性の柑橘類(ミカン科)の果樹。果皮は緑色から薄い黄色をしており、果実は非常に甘い>と注釈が付いている。<カリブ海を思わせる青色のラベルと財宝をイメージした金色の液色でリゾート地の贅沢な雰囲気を演出しました>というパッケージと相まって、何とも美味しそうではないか。

 「変わり種ペプシ」が注目を集めたのは、2007年のキュウリ風味「ペプシキューカンバー」によってだ。キュウリというよりはスイカの白いところまで欲張って噛んでしまったような、薄甘くてほのかに青臭い味にケミカルっぽさが漂う衝撃の味であった。以来、2009年のしそ風味の「ペプシしそ」など、独特のケミカルっぽさを伝承し飲む者を唸らせてきたのである。
 「変わり種ペプシ」は、究極のチャレンジャー戦略の武器である。チャレンジャーはリーダーとの差別化が命。日本のコーラ市場におけるリーダーブランドであるコカ・コーラが決して発売しないようなフレーバーで、「さすがペプシはぶっ飛んでる!」というパーセプションを獲得するのが使命なのだ。

 ところが、昨年5月25日に発売された「ペプシバオバブ」はその認識を多くのファンが改めざるを得ない商品であった。
「バオバブ」は、アフリカに自生する巨木。その実をイメージしたという、かなりナゾなコンセプトではあったが、変わり種ペプシ独特の「ケミカルさ」は陰も見せず、甘味料を使ったゼロ系コーラに慣れた舌には素直な甘味が実に美味しく感じられたのだ。ネット上でも「美味しい変わり種ペプシ」は大きな話題となり、「こんなハズはない!」という意見の一方、「これなら定番商品化できるんじゃね?」という感想も多かった。

 「ぶっ飛んだチャレンジャー」としてのパーセプションではなく、何を狙ったのか。
 飲んだ消費者の感想が「このちょっと変わったペプシ、おいしい!」だったとすれば、それに続くのは、「ペプシって、こんなのも作れるんだ!」だろう。となれば、「次はどんな味のペプシが出るんたろう?楽しみ!」だ。つまり、新たなペプシファン獲得と囲い込みが可能になってくるのだ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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