落合監督は名「雇われ経営者」(前)

2007.10.20

組織・人材

落合監督は名「雇われ経営者」(前)

寺西 隆行
(株)Z会

パリーグは勝者が決まり、セリーグは激戦中のクライマックスシリーズ。 中でも、落合監督の「仕事」に対する姿勢は感心するものがあります。 プロ野球ファンの一人として、プロ野球の発展を願いながら、監督業を組織論で考えてみました。

中日ドラゴンズの練習量は12球団一、とよく言われます。
監督として「やらせる」ことはしっかり「やらせて」いるわけですよね。
ただ、それが「恐怖政治」によるものではないことは、昨年山本昌投手がノーヒットノーランを達成したときの彼の姿によく現れています。

最初に山本昌投手を迎え入れるとき、帽子を取り、満面の笑みで、「おみそれしました」と深くお辞儀。
「ニンゲン」ですよね。

他にも…彼は監督就任時、トレードをしていません。
「今の選手の力を“全員”“少し”伸ばすだけで勝てる」
そう話していました。
これも経営者として、ニンゲンらしい言葉だと感じました。(もっとも、ここまで安定して強いチームにしてくれるとは思っていませんでしたが)

2.「その世界の常識」に囚われない。

昨日(18日)の先発~いわゆる「初戦」の先発は、小笠原という投手でした。
野球論をしても仕方がありませんので省略しますが、恐らく誰一人として想像できなかった先発投手だったと思います。

「結果を後付で評論する」ことが好きなマスコミは「左バッターが多いことを見越しての奇襲」などと述べていました。
でも、落合監督からすれば、奇襲でもなんでもなかったんだと思います。

「5試合のうち3試合で勝てばいい。そのためにはどうすればいいか」

それだけに集中して考え出した結論であり、結論が「(野球の世界では)普通じゃない」と思われることであっても実行する。
それだけなんだと思います。

だって、世の中の「常識」は

「5試合のうち3試合で勝てばいい」

なんですからね。

他にも…

・ずっと二軍で、シーズン終盤に数試合だけ出場していた平田という選手を、クライマックスシリーズのレギュラー、7番で全試合出場させている。

極めつけは

・レギュラーシーズンでは(プロ入りしてから)一度も出場したことのない岩崎という選手を、昨日の代走で出場させた!(ご存知でしたか?)
※もちろん、出場するにはベンチ入りする必要があるわけですから、岩崎選手を使うために、他の「一軍経験あり」の大勢がベンチに入れていないわけです。

プロ野球の世界では普通やりませんけど、「その“普通”は世の中でも“普通”か」に照らし合わせて考えているんだと思います。

繰り返しになりますが、世間的な常識は

「5試合のうち3試合で勝てばいい。そのためにはどうすればいいか」

ですからね。

いろいろあげましたが、一番素晴らしいと感じることがあるんです。
それは後編に続きます。

中日ドラゴンズファンとしては、間もなく行われる第二戦の勝利を願いつつ。

後編に続きます。

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寺西 隆行

寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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