今こそ、阪神大震災後の15年を振り返ろう。

2011.03.15

組織・人材

今こそ、阪神大震災後の15年を振り返ろう。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

東日本大震災が私たちに問いかけていることを、「阪神」を振りかえって考える。

東北地方を中心とする未曾有の大災害。ネット上では、皆で助け合える、落ち着いて受け止め行動できるという点において、改めて日本という国や日本人の良さ、素晴らしさを感じるという意見や、これをきっかけに日本は変われるのではないかという期待やら、感動のエピソード、復興に向けた寄付や協力の呼びかけなどが飛び交っています。ラジオはまだいいとして、出来る限りインパクトの大きな映像を繰り返し流し続けようというだけのテレビや、速報性という点でこういう状況では見劣りする新聞などしかなかった時代と比べてみれば、インターネットの優れた部分がいかんなく発揮されていると言えます。

しかしながら、ネット上で飛び交う声やメッセージを見ていてやや違和感を覚えることがあるのも事実です。特に、「日本という国や日本人はやっぱり素晴らしい」「これをきっかけに日本は変われる」といった書き込み。そう思う部分もありますし、そうなればいいとも思いますが、ふと、規模も被害のレベルも違うとはいえ阪神大震災で同じようなことが起こり、日本は、関西はどう変わったのかと考えてしまいます。被災直後からある程度復興が進むまでは、多くの人達の心の中で関西への愛着が強くなり、困っている人を助ける、弱者に配慮する、人の幸せを喜ぶ、人のために出来ることを考えるという雰囲気になりました。が、今となっては震災前と何も変わっていないと言っていいでしょう。

お年寄りや子供達を助け、互いに支えあっている東北の映像をあれだけ見ても、大阪の街ではやっぱり、配慮もマナーも相変わらずで、自分達に引き付けて考えることができません。済んだら終わり。忘れてしまう。経済においても社会においても阪神大震災をきっかけにして良くなったことなど、見つけるのが難しい。今回は、阪神とは地震や被害の規模が違うから変われるはずだ、とは思えません。本当にこれをきっかけにして、社会や経済や、私たち自身の考え方や振る舞いが変われるか。救援・支援・復興の次に考えなければならないのは、このことだと思います。

昨日、都知事が今回の東日本大震災を捉えて、「金銭欲・物欲・性欲を洗い流せという天罰だ。天罰に見舞われた人達はかわいそうだ。」と言ったようで、言うタイミングと表現が悪いのは相変わらずですが、少なくとも、私たちは、今の気持ちを持ち続けることができるかどうか、が問われているのだと考えます。今、多くの人が抱いている気持ちが、一時的な感傷や雰囲気や流行に終わるのか、それとも皆の心の奥底にとどまって、価値観や行動に変化が生まれ、大きなうねりにつなげていけるのか、それが問われているのだと思います。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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