「この会社を友人や同僚に勧めますか?」が、究極である理由。

2011.03.11

組織・人材

「この会社を友人や同僚に勧めますか?」が、究極である理由。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

顧客への「満足ですか?」「不満足ですか?」という問いかけは、はたして企業・組織に進化をもたらすのだろうか?

「あなたが、この会社を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という問いが、顧客満足を推し量るための究極の質問であると言います。顧客ロイヤリティの権威であるライクヘルドは、いわゆる顧客満足度調査はそのサンプリングの難しさ、質問の曖昧さや数の多さなどによって役に立たないと断じた上で、たった一つ、この質問をすれば良いとしています。

その商品やサービスを友人や同僚に勧める可能性を、10点満点(0~10点)で答えてもらい、9~10点を推奨者、7~8点を中立者、0~6点を批判者としてその割合を算出します。そして、推奨者の割合(%)― 批判者の割合(%)=正味推奨者比率(NPS:Net-Promoter-Score)を出し、これが顧客満足を測定する重要な指標であるとしました。

アメリカの事例では、この数値と収益性に明らかな相関が見られるとされる一方で、色々な批判もあるようですが、現状で行われている顧客満足度調査がいまひとつ使えない(顧客満足度は概ね高いという結果しか出ない、あるいは、高いという結果を顧客にアピールする材料くらいにしかならない)という声が少なくない以上、注目してみるべき方法ではないかと思います。

「あなたが、この会社を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という質問やこの手法は、どのような点で優れているのでしょう。

一つ目は、「親しい人に勧めるか」という問いかけのハードルの高さ。「満足/やや満足/どちらでもない/やや不満足/不満足」から選ばせるような方式とは、レベルが違います。よくある、満足かどうかを5段階で聞くような場合、よっぽど不満でなければ大抵の人は「やや満足」くらいにつけるものです。それは満足しているというよりは、別に文句はないといったニュアンスでしょう。そんなものを集計して概ね満足度が高いという結論を導いたって何の意味もありません。

「親しい人に勧めるか」という問いは、「この商品やサービスをしっかり理解していただき、あなたの親しい人達に勧めても通用する、損をさせない自信がありますか」と訊いているわけで、「満足」ほど簡単につけてはもらえません。そして出た厳しい結果は、自社の商品やサービスの問題点を見出そうという動機につながります。

二つ目は、明らかに収益につながる質問であること。「満足/やや満足/どちらでもない/やや不満足/不満足」から、「満足」を選んだ人は、決して、また買います、もっと買いますと言っているのではありません。満足したけどもういいよ、不満はないけど今度は他社でと言っていることもあるでしょう。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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