私の課に、入社3年目になるのですが、自信のない男性の部下がいます。 自信のなさが、責任感のなさ、中途半端な仕事につながっています。結果、顧客の信頼を得られず、社内でも“できない人”というレッテルを貼られ、仕事を任せられない状態です。
先日も大事な会議への出席を忘れ、さらに周りからの印象が悪くなり、本人も落ち込むといったことがありました。
本人としては周りにもっと認めて欲しく、一生懸命なのですが、完全に悪循環にはまっています。
自信をつけて欲しいのですが、自信は仕事を通して自ら勝ち取るものだと思うのです。どのように指導すればいいでしょうか?
(食品卸業 課長 男性)
【答】“可能性の動機付け”をやり続けるべし
あなたは、自信という言葉を何度も使われていますが、自信の実態は何だと思いますか?
実態のよくわからないもの、例えば意識、心、価値観といった類の言葉は、人の思考を固定化します。
私は、これらの言葉を“先入観ワード”とよんでいます。
“意識改革”という言葉は、多くの企業で耳にしますが、誰も『意識とは何ぞや?』について説明ができません。(最先端の脳科学、心理学でも答えを持っていないので当然ですね)
わからないものを、変えようというのですから、おかしな話です。でも当然の言葉として使われているので誰も『わからない』とはいえず、ただ、わかったような顔をしているのです。
先入観ワードとは、実は宝の山です。先入観の枠を広げたところに、新しい答えが見つかるからです。
では、自信について、枠を広げてみましょう。
まず、考えて欲しいのは『自信とはどこからやってくるか?』です。ある説によると、3歳までの親の教育によると言われています。
3歳になるまで親がどのくらい愛情をかけ、誉めて、認めたかによって自信のエネルギー量が決まるという説です。
私はこの説とは違う考え方をしています。
自信とは、『無意識の世界における、自分との対話』から生まれてくると考えています。(ちなみに、無意識とは、自動的・反射的に思考が動いている世界のことをいっています)
詳しく説明しましょう。
まず、親が子供に話す内容として、次の2つの文章を見比べてください。
A)小魚食べないと大きくなれないよ
B)小魚食べたら大きくなれるよ
違いがわかったでしょうか?
“小魚を食べる”ことに対する『動機付け』という点では同じです。
しかし、A)の言葉を受けた子供は「小魚食べないと困ることになる・・」といった意味を背景に捉えてしまいます。
つまり、A)は不安をベースにした動機付け=“不安の動機付け”なのです。
一方、B)は小魚は大きくなるための一つの可能性として捉えることができます。これを“可能性の動機付け”といいます。
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