「面白がり」になる方法

2007.10.17

営業・マーケティング

「面白がり」になる方法

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日書いた「創造性の必要条件とは?」で、 優れたクリエーターたちはみな、強い「好奇心」の持ち主 であることを指摘しました。 すなわち、好奇心を阻害する「固定観念」や「先入観念」を 簡単に捨てることができ、どんなことに対しても虚心坦懐に 「面白がれる」 ということが「創造性の必要条件」であるということです。

ただ、この記事を書きながら、
ひとつ気になっていることがありました。

それは、

・どうしたら「強い好奇心の持ち主」になれるのか?
・どうしたら、何に対しても「面白がれる」ようになれるのか?

ということでした。

正直なところ、「好奇心の強さ」は生まれつきのものか、
子供の頃の環境によって決まるものだと思っていました。

ですから、大人になってから、

「好奇心」

を強化できるトレーニングなんてないだろうと・・・

でも、確実に好奇心を強化する効果がありそうな方法が
ひとつあることが昨日わかりました。

それは、

「お遍路さん」

になって、四国八十八箇所の札所を回ることです!

実は昨日、過去3年間ほど愛媛での仕事のため
四国に住んでいた友人(女性)が今年東京に戻ってきまして、
四国滞在中に「お遍路さん」をやった話を聞きました。

彼女(以下、Yさん)の話で特に面白かったのは、
八十八箇所を回りきった今、

「なにを見てもやっても楽しい」

と、感じるようになったということでした。

それはなぜなのか、私は突っ込んで聞いてみました。

Yさんによれば、お遍路さんをやっている間に
次のような気持ちの変化があったそうです。

八十八箇所を全部回りきるためには、
毎日30キロ程度歩いても40日以上かかります。

すなわち、総歩行距離は1200-1400キロに達します。

最初は、

「なんでこんなこと始めちゃったんだろう・・・?」

と多少後悔したそうです。

しかし、歩く途中に見える田んぼや山、川などの
自然の風景のすばらしさに感動し、だんだんと楽しく
なってきた。

ところが、さらに歩いていると、
どこまでいっても同じような風景が続くため

「飽き」

が来たのだそうです。

しかし、ここからが大事だとYさんは思い、
我慢して歩き続けた。

そうすると、淡々とした単調に見える風景の中に、
新鮮な何かを感じることができるようになったらしいのです。

今日見えている山は、昨日見た山と同じような山だけれども、
歩き続けているわけですから、もちろん違う山です。

ここで、Yさんは、2つの山の同じ点(共通性)ではなく、

微妙な「違い」(異質性)を見つける、感じること

ができるようになったのです。

一言で言えば、感受性が磨かれたということでしょう。

そして、Yさんは、東京に帰ってからも、
日々の何気ない日常の中から自分にとって楽しいことや
面白いことをごく自然に感じ取ることができるようになった
というわけです。

この話を一緒に聞いていた仲間の一人は、

「Yさんは人生の達人になったんですね」

と言ってましたが、まさにその通りでしょう。

毎日を新鮮な気持ちで迎えることができ、
日々、「発見」の喜びを得られる人こそが

「人生の達人」

です。

そして、こうした発見が、
新たな創造へと昇華されていくのだと思います。

さあ、あなたも「面白がり」になりたかったら、
四国八十八箇所、お遍路の旅にチャレンジです。(笑)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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