インターネットで家づくり?住友林業のWEB戦略とは

家を買うことは一生に一度、せいぜい数回程度で、何度も経験できることではない。「家」を買う=建てる、となると、モデルハウスやショールームに出かけて行って、イメージや夢を膨らませることが一般的である。しかし、インターネットの普及に伴い、ホームページで事前に商品情報を仕入れてから出かけることが多くなっている。

◆ より、家づくりの実体験に近いサイトへ、「BF間取りDESIGNER
同年11月1日には、ホームページで思い通りのプランを作成し、3次元化された建物の中を自由に歩き回るように室内空間をバーチャル体験できる「BF間取りDESIGNER(デザイナー)」を会員制でオープンした。作成したプランを鳥瞰する「上から見る」モードでは居室の位置関係などが立体的に確認でき、「内部を見る」モードでは人の目線で住宅の中を歩き回れる。さらに住友林業の専門家によって、プランの合理性や暮らし易さなどのアドバイスに加え、法規制などのチェックが受けられる。この機能は住宅メーカー初の試みであったが、小川本人はさほど苦労はなくできたといい、「BF構法でお客様が間取りを作ることを経験して欲しい」という目標を達成した。



◆RPG感覚でお子さんと遊んで学べる「家づくりの達人」サイト
成功を重ねてきたことでホームページの効力が認められ、WEB戦略が販売促進手法の一つとして定着してきた。かつて、ホームページでは商品情報発信や資料請求等に止まっていたが、中長期的な住宅購入予定者やファン層の獲得も目指せるようになってきた。

ゲームで遊びながら家づくりの知識が深められるホームページは、4年程前から温めていたアイデアであり「家づくりの達人」として、平成23年1月22日のオープンを実現できたという。それの核となるコンテンツ「家づくりクエスト」は、家づくりに関するクイズなどで構成されるロールプレイングゲーム。自分のキャラクターとアイテムを選択した後、「キソ草原」、「ガイソの森」、「ナイソーマウンテン」という住宅にちなんだクイズステージと「キングエリア」という最終のステージをクリアしていくもの。ゲームで獲得したポイントによってランキングされ、3ヶ月ごとの集計で上位3位には住友林業のシンボルキャラクター“きこりん”模型を、毎月10名に“きこりん”グッズをプレゼントするという。今年開催のイベント「住まい博」にてWEBコーナーを設けたが、「家づくりの達人」は一般顧客の評判が良かった。今後の成果には期待が大きい。




◆小川が目指すものは?
消費者とって、家づくりはそう何度も経験できることではなく、人生の中でも大きくて大切なイベントである。たくさんの人が遊びに来て楽しめる、見た後には「良かった」と感じてもらえるホームページを今後もつくり続けたい。数字ばかりを追いかけるのではなく、長い目でみて住友林業のファンになっていただけるようなサイトを目指している。そのスタンスこそが住友林業のWEB戦略の根幹だ。消費者にとって役に立つのであれば、他の住宅メーカーと共同でホームページをつくってみたい、と小川はいう。ビジネスでは競合する関係ではあるが、共同することで消費者にもっと便利な機能を提供し、同じ土俵でも「選ばれる」住宅メーカーとなることを社内外に発信していきたいと考えている。

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