最近、 「猫鍋」(ネコ入り鍋) なるものが、猫マニアの間でブームになってますね。
子猫たちが、空の土鍋に入り丸くなって眠る様子をビデオ撮影、
「YouTube」や「ニコニコ動画」にアップしたら、
一気にブレークした模様。
私も動画を見てみましたが、確かに可愛い・・・
猫好きにはたまらない映像です。
猫に限らず、人・動物の赤ちゃんの寝ている姿って、
本能レベルでの愛情を湧き上がらせる力がありますよね。
さて、「猫鍋」で思い出したのが、
猫缶(ウエットタイプの猫用ペットーフード缶詰)の
パッケージデザインを従来とガラッと変えたら、
売れ行き好調、という話。(日経デザイン、October 2007)
猫を飼ってらっしゃる方ならおわかりになると思いますが、
猫缶のデザインは各社ともほぼ同じようなものですね。
おおむね、缶の上部(円の部分)には、中身の写真
(鳥ササミとか、鮭フレークとか)が表示されています。
そして、側面には猫(バストアップ)の正面写真。
私は20代のころ、
某マーケティングリサーチ会社の調査員として、
あちこちの小売店を回り、ペットフード製品の在庫調査を
やっていたのですが、最近の製品のデザインも当時とほぼ同じ。
変わりばえのしないデザインなのに改めて驚きました。
しかし、マルハ系列のペットフード会社、アイシア(株)
では、今年3月発売した新製品、
「Miaw Miaw(ミャウミャウ)」
で、子猫が目をつぶって幸せそうに眠っている写真を
缶上部に大きくフィーチャー。
一方、中身の写真は、缶側面に小さく表示するという
従来とは異なるデザインを採用しています。
*「Miaw Miaw(ミャウミャウ)」ブランドサイト
http://www.aixia.jp/products/brand/miawmiaw/index.html
銅製品の市場投入時は、
流通から「売れるのか」と心配する声が上がったそうですが、
アイシアの開発担当者によれば、
「ここ数年で発売した新製品の中で最も良く売れている。
こちらの予想値も超えている」
ということで、9月1日からはドライフードなど、
商品ラインアップを拡充しています。
よく考えてみれば、猫が自分で店に行って、
猫自らパッケージを見ながら、猫缶を選ぶわけでは
ありませんよね。
お店で猫缶を買うのは人間、飼い主です。
中身の「鳥ササミ」などの写真を大きく見せたからといって
「おいしそう!」
と思って選ぶわけではありませんよね。
私がコンビニで、酒のつまみにと
「ホテイのやきとり缶」
を買うのとは違います。(笑)
猫好きの飼い主が店頭でぱっと目を惹かれる、
そして、思わずしげしげと眺めたくなる
ミャウミャウの猫缶のようなデザインが、
猫缶の本来あるべき姿だったのかも知れません。
さて、ミャウミャウの成功を見た
競合他社はどんな手を打ってくるのでしょうか?
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2015.07.10
2015.07.24
松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。
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