中国に現地法人を抱える日本企業はたくさんありますが、現地法人を巻き込んでIFRSへの対応を進めていけるか不安もあるようです。まずは中国の状況を知っておくべきでしょう。
現地で対応が難しい場合は、親会社で連結処理上の修正を行なうといった方法もあります。この場合でも修正の基礎資料は現地から提出してもらう必要があるのでやはり現地での負担が生じることになります。
その他にも、このまま3ヶ月のずれを維持することも1つの方法ではあります。しかし、これは実務上不可能な場合に限られるので、まずは原則的な方法を検討しておく必要があるでしょう。1つ注意しておきたいのは「実務上不可能な場合」というのは企業固有の事情を検討することになるので、他社事例で中国の会社が仮決算ができているからといって自社においても同じ対応をしなくてはならないというわけではないということです。決算期の異なる企業が一律にすべて仮決算を行なうことになるとは限らないのです。
また、3ヶ月のずれを放置しておくとその期間に発生した重要な変動の調整や、連結処理の親子会社間取引の差異分析などの手続が面倒になります。そのような点も考慮した上でどのような対応が一番効率的か考えるべきです。
海外のグループ会社に対する管理が十分にできていないと感じている企業は意外と多いという印象を受けます。早い段階から密接にコミュニケーションを取ることが円滑な対応につながると思います。
野口由美子
株式会社イージフ
http://aegif.jp/
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